賜るとは?賜るの意味
目上の人から何かを受け取ることを謙遜して表現する謙譲語、または目上の人が与える行為を敬って表現する尊敬語として用いられる
賜るの説明
「賜る」は「たまわる」と読み、主に二つの意味で使われます。一つは「もらう」の謙譲語として。例えば「ご指導を賜る」という場合、自分が目上の方から指導を受けることをへりくだって表現しています。もう一つは「与える」の尊敬語として。こちらは相手側の行為を敬う表現で、「陛下が勲章を賜る」のように使います。日常会話ではあまり登場しませんが、結婚式のスピーチやビジネス上の丁寧な文章では重要な役割を果たします。同じ謙譲語の「いただく」よりも一段と格式高いニュアンスを持つため、特に敬意を表したい場面で効果的です。
改まった場面で使えるとかっこいいですね!適切に使えば相手への敬意をしっかり伝えられます。
賜るの由来・語源
「賜る」の語源は、古代日本語の「たまふ」に遡ります。「たまふ」は「給ふ」と表記され、上位者が下位者に物を与える行為を意味していました。これが時代とともに変化し、中世以降に「賜る」という漢字が当てられるようになりました。漢字の「賜」はもともと「目上の人から目下の人に与える」という意味を持ち、日本語の「たまふ」の概念とぴったり一致したため、自然に定着していったのです。皇室や貴族社会で特に重用され、現代でも格式高い場面で使われる由緒正しい言葉です。
由緒正しい言葉だからこそ、使い方を間違えると恥をかくかも…正しい知識でスマートに使いこなしたいですね!
賜るの豆知識
面白い豆知識として、「賜る」は現代ではほぼ文章語としてしか使われませんが、戦前までは口語でも比較的頻繁に使われていました。また、同じ読みで「給わる」という表記もありますが、これは「賜る」の異字体として扱われ、意味は全く同じです。さらに、この言葉はビジネス文書では「賜りますよう」という定型表現として非常によく使われ、取引先への敬意を示す重要な役割を果たしています。ただし、使いすぎるとかえって堅苦しい印象を与えるので、適度な使用が求められます。
賜るのエピソード・逸話
昭和天皇が戦後初めて民間人と対面された際、ある老紳士が「陛下、このような粗末な品ではございますが、どうかお受け取り賜りたく」と申し出たエピソードが伝えられています。その際、陛下は「ありがたく賜ります」とお答えになり、周囲の者たちに深い感動を与えたと言われています。また、作家の司馬遼太郎は著作の中で、明治の元老・山縣有朋が若い官僚たちを叱咤する際に「朕の信任を賜りておるということを忘れるな」とよく言っていたと記しており、当時の権力者の言葉遣いを窺い知ることができます。
賜るの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「賜る」は日本語の敬語体系の中でも特に興味深い存在です。まず、一つの語が謙譲語と尊敬語の両方の機能を持つという点が特徴的です。謙譲語として使う場合は話し手側の行為を低め、尊敬語として使う場合は相手側の行為を高めるという、正反対の働きをします。また、この言葉は「授受動詞」の一種であり、日本語特有の「恩恵の授受」という概念を強く反映しています。与える行為と受ける行為の双方に敬意が込められる点は、日本語の敬語体系の複雑さと繊細さを如実に示していると言えるでしょう。
賜るの例文
- 1 取引先から急な問い合わせが来て、慌てて『ご連絡賜り、誠にありがとうございます』と返信したけど、送信した後にちょっと堅すぎたかも…と後悔するあるある
- 2 上司に『ご確認賜りますようお願い申し上げます』と丁寧にお願いしたら、逆に『そんな堅苦しいこと言わなくていいよ』と言われてしまった経験
- 3 結婚式のスピーチで『末永くご指導ご鞭撻賜りますよう』と言おうとして、緊張のあまり噛んでしまいそうになったあの瞬間
- 4 ビジネスメールで『賜る』を使いすぎて、文章が妙に格式ばってしまい、自分で読み返して恥ずかしくなったこと
- 5 重要な取引先へのメールで、『ご査収賜りますよう』と書こうとして、『賜る』の使い方が合ってるか不安で結局普通の表現に変えたあるある
「賜る」のビジネスシーンでの適切な使い分け
「賜る」は全てのビジネスシーンで使えるわけではありません。状況に応じて適切に使い分けることが大切です。特に最近では、過度に格式ばった表現が逆に堅苦しい印象を与える場合もあるので、TPOを考慮した使用が求められます。
- 取引先の社長や重役への公式文書 → 「ご高配賜りますよう」
- 重要な契約書や提案書 → 「ご検討賜りたく存じます」
- 日常的な社内連絡 → 「確認いただけますでしょうか」
- カジュアルな業界の取引先 → 「ご確認ください」で十分な場合も
特にメールでは、最初の挨拶や重要な依頼時に1回使う程度が効果的です。同じ文章で何度も使うと、かえって不自然な印象を与えてしまいます。
間違いやすいポイントと注意点
「賜る」を使う際によくある間違いと、その回避方法をまとめました。正しい敬語表現を身につけることで、ビジネスパーソンとしての信頼性を高められます。
- 二重敬語に注意:「お~賜る」は「お受け取り賜る」のように使えますが、「お~になられる」との組み合わせは過剰敬語
- 主語の確認:謙譲語として使う時は自分が主語、尊敬語として使う時は相手が主語
- 話し言葉での使用:会話では「いただく」の方が自然な場合が多い
- 業界や企業文化による違い:伝統的業界とIT業界では適切な使い方が異なる
関連用語と類語のニュアンス比較
| 言葉 | ニュアンス | 適切な使用場面 |
|---|---|---|
| 賜る | 最も格式高い、改まった表現 | 公式文書、目上の方への手紙 |
| いただく | 一般的な謙譲語、汎用的 | 日常的なビジネスシーン |
| 頂戴する | やや謙虚、控えめな印象 | 目上の方から物を受け取る時 |
| 承る | 「聞く・引き受ける」の謙譲語 | 依頼や問い合わせに対応する時 |
これらの言葉は微妙なニュアンスの違いがありますが、基本的には「賜る」が最も格式高い表現であることを覚えておくと良いでしょう。状況に応じて適切な言葉を選ぶことが、スマートなビジネスコミュニケーションの鍵です。
よくある質問(FAQ)
「賜る」と「いただく」はどう使い分ければいいですか?
どちらも謙譲語ですが、「賜る」の方がより格式高い表現です。日常的なビジネスシーンでは「いただく」、特に改まった場面や目上の方への敬意を強く示したい時は「賜る」を使うと良いでしょう。例えば取引先の社長への手紙なら「ご指導賜りますよう」、日常の業務連絡なら「ご確認いただけますよう」という使い分けが自然です。
「賜る」をメールで使う時、どんな場面が適していますか?
重要な取引先への依頼、謝罪文、お礼状、公式な招待状など、特に丁寧さが求められる場面で適しています。ただし、同じメール内で何度も使うとくどくなるので、重要な箇所だけに絞って使用するのがコツです。また、社内の日常的な連絡では少し堅すぎる印象を与える可能性があります。
「賜る」を使う時に多い間違いは何ですか?
よくある間違いは、謙譲語と尊敬語の混同です。例えば「私がご指導賜ります」は誤りで、正しくは「私がご指導賜ります」ではなく「私がご指導賜る」または「先生がご指導賜る」となります。また、「賜ります」を「賜りますです」と重ねて使うのも誤りで、丁寧語と謙譲語の重複使用は避けるべきです。
若い世代でも「賜る」を使うべきですか?
状況によりますが、ビジネスシーンでは年齢に関わらず適切に使えると好印象です。特に伝統的な業界や格式を重んじる企業では、若い方でも「賜る」を正しく使えることで信頼を得られます。ただし、IT業界やスタートアップなどカジュアルな環境では、状況に応じて「いただく」を使う方が自然な場合もあります。
「賜る」と「承る」の違いは何ですか?
「賜る」が「もらう」の謙譲語であるのに対し、「承る」は「聞く・引き受ける」の謙譲語です。例えば「ご意見賜る」は意見をもらうこと、「ご意見承る」は意見を聞くことです。また、「賜る」の方がより格式高いニュアンスがあり、特に目上の方から何かを受ける場合に使われる傾向があります。