物欲センサーとは?
物欲をキャッチする架空のセンサー
物欲センサーとは、ゲーム作品においてプレイヤーの物欲をキャッチして目当てのアイテムの入手確率を下げる架空のセンサーのことです。
架空の、と書いた通りシステム上に存在するセンサーではなく、プレイヤー間でよく言われる都市伝説のようなものといえるでしょう。
そのため基本的に回避方法はなく、とにかく無欲になることや他のアイテムを目当てにすることが主な対策として挙げられることが多くあります。
発祥はオンラインゲーム
物欲センサーという単語の発祥はオンラインゲーム「ファンタシースターオンライン」で、何度周回してもお目当てのアイテムが出ない、ということが頻発したためこのゲームには「物欲センサー」が搭載されているといわれていました。
ただしこのゲームはそもそものドロップ率(アイテムの入手確率)が非常に悪く、0.00数%などという確率がザラに存在するゲームだったため、はたから見るとそこまでひどいようには思えなかったこともあり、このころはそこまでよく聞く単語でもありませんでした。
モンスターハンターで流行
物欲センサーが有名になったのは大ヒットゲーム「モンスターハンターシリーズ」で、ゲームの流行と同時にこのゲームでお目当てのアイテムが出ないことが頻発したため、ここにきて「物欲センサー」という単語をよく聞くようになりました。
このゲームではゲーム自体の流行に加え「装備を作るための素材を集める」というゲームシステム上
- 目当ての素材が出ない
- 目当ての素材が出ないのに目当ての素材より入手確率が低い素材が大量に出る
- そもそも目当てのモンスターと戦えるクエストが出ない
等といった需要と供給がまるで噛み合わない事態が頻発し、それに応じて「物欲センサー」という言葉も広く使われるようになりました。
今では「モンスターハンター」の販売元であるカプコン公式でも「物欲センサー」という単語を認知しているようで、a)「物欲センサー退散」と書かれたファンアイテムを販売する、b)イベントにおいて「ゲームハード(ゲーム機の事)が手の汗を感知している」というジョークを飛ばす、などといったファンサービスも行われています。
その他の物欲センサー
モンスターハンターシリーズにおいて「物欲センサー」が有名になったため、幅広い範囲で物欲センサーという言葉が使われるようになりました。
基本的にランダム要素が加わる事象について目的のものが入手できない場合に使用され、ゲーム作品の他に食玩やトレーディングカードゲームなど実物を入手する際に使用される場合もあります。
物欲センサーの正体
基本的には単なる偶然
物欲センサーの正体は基本的に単なる偶然です。
確率は最初から100%のものでない限り何度試行を繰り返してもその確率は上がりこそすれ100%にはなりません。そのため、運が悪ければ延々と試行を繰り返すことになります。
また、人間の記憶には悪いことの方が印象に残りやすいという特徴があり、その結果としてより簡単に手に入った記憶は残りにくく、手に入りにくかったことのみが記憶に残ってしまいます。
つまり、いつも不要なものばかり手に入って目的のものが入手できていないと錯覚してしまうのです。これが物欲センサーの正体です。
実際に偏っていることもある
ゲームなどで使用されているランダム要素は「擬似乱数」と呼ばれるもので再現されており、実は本当の意味でのランダムになっておらず場合によっては偏ってしまう可能性もあります。
「ポケットモンスター」など一部のゲームではこれを利用して目当ての状況を作り出す「乱数調整」という技術が話題に上がることがありますが、偶然これと同じ状況に陥り自分にとって都合の悪い乱数を引き続けることになってしまう場合があります。
この場合はいったんほかの行動をとってみる、休憩をはさんでみることで回避できる場合があります。
また、不具合などでそもそも確率自体が間違っている場合もあり、こちらの場合は本当にどうしようもないので修正を待つのがいいでしょう。
物欲センサーの使い方
物欲センサーを使用した例文
1.物欲センサーが働きすぎて素材が集まらない
2.全然欲しいのが出ない。物欲センサーついてるんじゃないの?
3.やっと出た。物欲センサーに勝ったぞ。
物欲センサーについてまとめ
イライラをぶつけるためのもの
物欲センサーとはつまり、欲しいものが手に入らないイライラをぶつけるためのものと考えることができるでしょう。
特にゲームは楽しむためのものであり、戦い飽きた同じ相手を延々倒し続ける等といった苦行に近い行為は楽しみからは程遠い作業になってしまいます。
そのストレスをぶつける相手として「物欲センサー」という言葉はあるのではないでしょうか。もしこういったイライラを感じたら、ぜひ「物欲センサー」にぶつけてみてはいかがでしょうか?