「無理矢理」の意味
「無理矢理」は、強引に物事を行うさまを表します。自分以外の人の意向や状況には関係なく、強引に何かを行うときに使う副詞です。
「無理矢理」の「無理」とは
「無理」の意味は以下の通りです。
- 道理に反していること(例:あれは君が悪かったよ。彼が怒るのも無理はないと思う)
- 実現しにくく、それをするのが困難な様子(例:1日に100個英単語を覚えるなんて無理だ)
- 周囲の状況を考慮せず押し切る(例:自分の体力を過信した母は、無理をして体を壊した)
「無理矢理」の「無理」は、3の意味で用いられています。
「無理矢理」の「矢理」とは
「無理矢理」は、「無理遣り」という漢字で書かれることもあります。「遣る(やる)」はここでは「何らかの動作を行う」という意味の動詞で、「遣り」はその連用形です。
「まわりの意思を無視して事を行う」という意味から考えると、「無理遣り」のほうが本来の表記だと考えられるでしょう。「矢理」は当て字だといわれています。
「無理矢理」の使い方
「無理矢理」は副詞で、「無理矢理~する」というかたちでよく使われます。また、「無理矢理に~」という表現も見られます。
「無理矢理」を用いることで、物事を強引に、もしくは、力任せに行う様子が表せます。人に対して行う場合は、強い立場の人が自分の都合を優先させて、弱い立場にいる相手に気が進まないことを強いる様子が表現できます。
「無理矢理」の例文
- 子どもには無理矢理何かをやらせるよりも、その子が興味を持ったことをやらせたほうがいい。
- 小学生のとき、先生に無理矢理に飲まされて以来、牛乳を飲めなくなってしまった。
- 無理矢理荷物を詰め込んだため、かばんが変形してしまった。
- 悪天候のなか無理矢理運動会を決行したが、雨がひどくなり結局中止になった。
- 無理矢理車線変更をしようとして、危うく事故になるところだった。
「無理矢理」の類語
類語1:強制・強要
「強制」(きょうせい)は、権力などの力をもって相手に行動するように強いること、「強要」(きょうよう)は、ある行動をさせようと相手の意向を考えることなく無理に求めることです。思い通りにさせようとする意味で「無理矢理」の類語といえます。
【例文】
- 参加費を強制的に徴収された。
- 親からBとの友達付き合いをやめるように強要された。
類語2:否応無し・有無を言わさぬ
「否応無し」「有無を言わさぬ」は、相手からの返答を受け付けない、好みであろうがなかろうが関係ないという意味合いの言葉です。相手に物事を強いるニュアンスで使われる点で「無理矢理」と似ています。
「有無を言わさぬ」の「有無」は、ここでは承諾することと断ることを意味しています。
【例文】
- 好きでホームレスになる人はいないと思います。何か理由があって、否応無く路上での生活を強いられるのではないでしょうか。
- 有無を言わさぬ勢いで、上司に飲みに連れて行かれた。