「有無を言わさぬ」とは?意味や使い方をご紹介

「有無を言わさぬ」という言い回しは、高圧的で嫌な感じがする方もいるでしょう。または、こちらが何も口を出せないくらい強い口調で話をされて黙るしかなかったことを思い浮かべる方もいるかもしれませんね。この記事では「有無を言わさぬ」の意味や使い方について説明します。

目次

  1. 「有無を言わさぬ」の意味
  2. 「有無を言わさぬ」の使い方
  3. 「有無を言わさぬ」の類語

「有無を言わさぬ」の意味

「有無を言わさぬ」(うむをいわさぬ)とは、「承知するか、承知しないかを言わせない」という意味です。「有無」は、「あること」と「ないこと」ですが、この場合の「有無」は、人から受けた要求について「承知する(聞き入れる)」「承知しない」という意味です。

「言わさぬ」は、サ行五段活用の動詞「言わす」(言うままにさせる)の未然形に、打ち消しの助動詞「ぬ」がつき、「言うままにさせない・言わせない」といった意味合いになります。

相手からの一方的な要求に対し、「受け入れるか、受け入れないかを言わせない」、つまり、要求された側に選択権が与えられず、黙って受け入れるしかない状態を表しています。

「有無を言わさぬ」の使い方

立場が強い相手が無理強い

「有無を言わさぬ」状態は、相手に相当な無理強いをしています。要求をした側の立場が非常に強く、意見が言えない相手が一方的に弱い立場に置かれている様子がうかがえます。

【例文】
下請け会社に対する値下げ交渉で、有無を言わさぬ様子の担当者に怒りの気持ちでいっぱいになった。

意見や反論ができない

上司や目上の立場の人、親や世話になった人が高圧的で聞く耳を持たないとか、根回しされて自分の意見に賛同してくれる人が周りにいない状況などで、意見や反論を一切受け付けずに、命令に近い状態で物事を要求された場合にも「有無を言わさぬ」が使えます。

【例文】
昔の人は、親や世話役の人が勝手に決めた人と、有無を言わさぬ状態で結婚しなくてはいけなかったそうだ。

重大な決断

「有無を言わさぬ」ように迫るということは、相手に口を挟ませないくらいの相当重大な決断を下したということにもなります。要求を受けた側も、相手の覚悟を考えて反論する余地がないと理解を示すこともあるでしょう。

【例文】
業績が悪化した取引先から、有無を言わさぬ様子で取引の停止を提案された。

正論を述べる

相手の意見に耳を貸さないという意味とは真逆のようですが、「有無を言わさぬ」場合、非の打ち所がない正論を言って、相手に口を挟む余地を与えない場合もあります。反論や異論が出ないよう、用意周到に練って相手に案を出すなど、手強い様子が伺えるでしょう。

正論に裏打ちされた自信があり、否定をしようとした相手に一言も話させないことから、淀みなくすらすらと話ができる口調を「有無を言わさぬ勢い」というように表現することもあります。

【例文】

  • 担当者は、理路整然とした説明で、クレーマーに有無を言わさぬよう納得させた。
  • 相手の陣営に有無を言わさぬ勢いで答弁をして、拍手喝采を受けた。

「有無を言わさぬ」の類語

否応なく・否応なし

「否応(いやおう)なく・否応なし」とは、賛成であろうが反対であろうが関係なく、どうしてもといった意味合いで使われます。「否応」は、相手からの問いかけに対して、「いいえ(反対)」と「はい(賛成)」のどちらかを返事をすることです。

「有無を言わさぬ」と同じように言われた相手に選択権はないこと、たとえ嫌だろうが相手に強要するといった意味で使える言い回しです。

【例文】

  • 上からの通達で、否応なしに社内の運動会へ強制参加となった。
  • 否応なく、誰かと一緒に組んでレポートを出さなくてはいけないそうだ。

問答無用

「問答無用」(もんどうむよう)とは、議論をしても無駄であること話し合いをしても無意味だという意味です。「問答」は、問うことと答えることで、話し合いや議論を表し、「無用」は、役に立たないこと、無駄で意味がないことを言います。

一方的に話を切り上げる際に使われることもある四字熟語ですが、相手の意向を忖度(そんたく)せずに口を挟ませないという点で「有無を言わさぬ」と似ています。

【例文】

  • 問答無用とばかりに、こちらには言いたいことを言わせずに一方的に話を打ち切った。
  • 自分の意見のみを発表して、記者からの質問に問答無用という態度で一切答えず、最悪の会見となった。

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