「反省」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

おそらく世の中には失敗をしたことがない人はいないでしょう。失敗をしたら「反省」して、次に備えますが、では「反省」とはどういうことでしょうか。「反省」に類語はあるのでしょうか。この記事では、「反省」について、意味や使い方を類語とともにご紹介します。

目次

  1. 「反省」とは
  2. 「反省」の使い方
  3. 「反省」に関する著名人の言葉
  4. 「反省」の類語

「反省」とは

「反省」とは、「自分の過去の言動を振り返って評価すること」です。ここでいう「評価」は、過去の言動を肯定的にとらえるのではなく、批判的な視点で考察するということです。

「反省」という熟語を構成する「反」「省」には以下のように多くの意味がありますが、どちらにも「かえりみる」という意味があります。

「反」の字義

」という漢字には、以下のような意味があります。

  1. かえる。かえす。元に戻す。はね返す。裏返す。(例:「反転」「反撃」「反映」)
  2. そむく。さからう。(例:「反抗」「謀反(むほん)」)
  3. かえりみる。(例:「反省」「自省」)
  4. 反対の。逆の。(例:「反比例」「反面」)
  5. そる。そらす。(例:「背中を反らせる」)
  6. たん(土地の面積の単位):1反は、約991.7平方メートル

「省」の字義

」という漢字には、以下のような意味があります。

  1. かえりみる。振り返って考える。(例:「反省」「自省」)
  2. 安否を問う。(例:「帰省」)
  3. はぶく。へらす。(例:「省略」)
  4. 国の行政機関。「財務省」「文部科学省」など

「反省」の使い方

「反省」は、自分の言動の良くなかった点を振りかえって、改めて考えようとする自己評価の手段です。もっぱら「反省する」という形で使われることが多いですが、「反省の色」という使い方もあります。

【例文】

  • 生活習慣病と診断されてしまった。これまでの生活を反省して、改めないといけない。
  • 妻とのけんかの原因は自分にあると深く反省した。
  • 会社の信用を傷つけるようなミスをしたにも関わらず、本人には全く反省の色が見えない。
  • いつも遅刻ばかりしている生徒に反省文を書かせることになった。
  • 反省すべき点がなかったかどうか、きょう一日の出来事を振り返った。

「反省」に関する著名人の言葉


「反省」については多くの著名人が名言を残していますが、パナソニック(Panasonic)の創業者松下幸之助にも、「反省」について多くの言葉があります。以下に一つの例を挙げます。
 

成功といっても、それは結果での話であって、その過程には小さな失敗というものがいろいろある。それらは一歩過てば大きな失敗に結びつきかねないものであるが、おごりや油断があると、そういうものが見えなくなってしまう。けれども、「これは運がよかったから成功したのだ」と考えれば、そうした小さな失敗についても、一つひとつ反省することになってくる。(松下幸之助『実践経営哲学』より抜粋)

ここでは、「成功」と「失敗」の関係における「反省」の必要性・重要性を語っています。このような考え方は、ビジネスだけでなく人の生き方にも参考になるといえるのではないでしょうか。

「反省」の類語

「内省」

「内省(ないせい)」とは、「自分の言動やこころの状態を振り返って深く見つめて考えること」で、「反省」の類語です。

【例文】

  • 私は、毎日寝る前に座禅を組み、こころを鎮めて内省している。
  • 彼女は内省的な性格が度を越して、細かいことにこだわりすぎる傾向がある。

「内観」

「内観(ないかん)」とは、「自己の内面を見つめて、その状態を観察すること」という意味で、「内省」や「反省」と似た意味の言葉です。

また「内観」は、心理学や精神修養の場面でも使われる言葉です。仏教の瞑想による修行法にも「内観」という言葉が使われています。精神を集中して自分の心を観ずることによって、自己の内部に存在する真理や自己の真実の姿を知ろうとするものです。

心理学の用語としては、フランスの哲学者デカルトが物質と精神の二元論のなかで精神の研究を「内観(内部観察)」と呼んでいます。

【例文】

  • 自分の精神状態を観察する方法として、内観は有効な手段だろう。
  • 白隠禅師という江戸時代の禅僧が提唱した内観法は、とてもイメージしやすく分かりやすい方法だと思う。

「振り返り」

「振り返り」とは、「自分の言動や傾向を客観的に捉えて、次に向けた改善点を洗い出し、それを実行すること」を言い、特にビジネス用語としてよく使われています。

オーストリアの経営学者ピーター・ドラッカーの「効果的な行動のあとに静かな振り返り(quiet reflection)を行えば、そこからより効果的な行動が生まれる」という言葉がよく知られています。


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