「呆れる」とは?
「呆れる」は、(あきれる)と読みます。今回は、「呆れる」の類語にも焦点を当てて解説していきますが、まずは「呆れる」の意味を確認しておきましょう。
「呆れる」には、以下のような意味があります。なお、2は古典における用法です。
- 物事の程度のはなはだしさや意外さ・ひどさに驚くこと。あっけにとられること。
- 意外なことに出会い、対処のしかたが分からなくなる。
1の意味は、驚いて言葉を失う、戸惑いを感じる、といったイメージです。現代では、非難や蔑視、愛想づかし、うんざり、といったネガティブな感情を込めて使う傾向にあります。一方で、「やれやれ」と小さくため息をつくような、軽い感じで用いる場合もあるでしょう。
「呆れる」の使い方
「呆れる」は、文脈によって少しずつニュアンスが異なります。驚きの程度や、どういった感情を含んでいるのかを把握することが大切です。
文例
- 貯金もないのに仕事を辞めるだなんて、聞いて呆れるよ。
- 毎度毎度、遅刻の言い訳を並べる彼にはほとほと呆れた。
- 好きなアイドルのライブツアーに30万円もつぎこんだとは、呆れるなあ。
- 夏休みももう終わりなのに、宿題がほとんどできていないなんて、呆れるしかないわね。
- この和菓子屋のどらやきは、呆れるほど美味しい。
「呆れる」の類語
「呆気にとられる」
「呆気(あっけ)にとられる」は、予想外のことに出会い、驚き呆れること、どうするべきかわからずぼんやりしてしまうことを意味します。
後述する「呆然とする」と似ていますが、「呆気にとられる」のほうがやや軽いニュアンスです。「ポカンとする」といったイメージですね。
文例:女子会があるので、と女性社員が一斉に退社していく姿を、呆気にとられて見ていた。
「呆然とする」
「呆然(ぼうぜん)とする」の意味は、大きくわけて次の2つです。
- 呆気にとられてしまうこと。
- 驚き呆れ、気が抜けてぼんやりとしてしまうこと。
「呆れる」の類語としては1の意味が当てはまりますが、「呆れる」結果として気が抜けることもあるので、2の意味を含めても間違いではないでしょう。
注意すべきは、「呆れる」よりも強い驚きを表す点です。たとえば、「夫がカレーを3皿お代わりしたのには呆れた」は自然ですが、ここに「呆然とする」を使うと違和感がありそうです。ただし、5皿なら「呆然」でもいいかもしれませんね。
文例:嵐によって様変わりしてしまった風景を目の当たりにして、呆然とする。
「唖然とする」「開いた口がふさがらない」
「唖然(あぜん)とする」は、予想外の出来事に、驚き呆れて言葉がでないことを意味します。また、「開いた口がふさがらない」も、「唖然とする」とほぼ同義と言えます。
単に呆れてポカンと口を開ける、というよりは、あまりのことに呆れ果てて何も話せない、というネガティブなニュアンスが強いでしょう。
【文例】
- 親友の彼氏が、他の女の子と二人きりで、しかも手を繋いで歩いているのを見かけ、唖然とした。
- 私のバッグを勝手に持ち出して使う妹のずうずうしさには、開いた口がふさがらない。
「絶句する」「言葉を失う」
「絶句(ぜっく)する」とは、話の途中で言葉に詰まって出なくなること、また、役者が自身のセリフを忘れて発せないことも意味します。
上記の意味だけでは類語とはいえませんが、実際の会話では、ある状況に驚き、言葉が出ないときにも使われます。この場合は、「呆れる」に近い印象がありますね。
「言葉を失う」も「絶句」と同じように使われますが、驚き呆れる場面のみならず、感動などで言うべき言葉が見つからない場合にも使えます。
【文例】
- 手紙の差出人が、数十年と連絡がとれなかった友人とわかり絶句した。
- 自宅の塀に派手に落書きされているのを見つけ、言葉を失った。