「馳せる」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「馳せる」は、「思いを馳せる」「名を馳せる」などの使い方が広く知られているかもしれません。文学作品などの詩的な表現で見かけることも多いでしょう。この記事では、「馳せる」の意味や使い方をについて、例文や類語を交えて紹介します。

目次

  1. 「馳せる」の意味
  2. 「馳せる」の使い方
  3. 「馳せる」の類語

「馳せる」の意味

「馳せる」(は-せる)は下一段活用の動詞で、3つの意味があります。

  1. 馬などを速く走らせる、急いで駆けつける
  2. 遠くのことに思いを巡らせる
  3. 広く知らしめる

「馳」は部首の馬へんに「チ」という音の「也」からなる形声文字で、馬を走らせる様子を表しています。

「馳せる」の使い方

1.走らせる・駆けつける

「馳せる」は、昔は馬や馬車を速く走らせることでしたが、現在は車などの乗り物にも使えます。「馬を馳せる」「車を馳せる」のような使い方です。

自らが走って行く、急いで駆けつける様子も表すことができます。古風な言い回しですが、「馳せ参じる」(目上の方のもとへ、急いで参上する)というように使えます。

【例文】

  • 馬を馳せて、戦場に向かった。
  • 新幹線に間に合うように、車を馳せる。
  • 主君の呼びかけに応じ馳せ参じた。

2.遠くのことに思いを巡らせる

「気持ちを遠くまで至らせる」という意味における代表的な使い方は、「思いを馳せる」でしょう。「遠くに感じる」存在や物事に、意識が強く向かう様子が感じられますね。物理的に離れている場所だけでなく、過去や未来なども対象です。

【例文】

  • 生まれ故郷に思いを馳せ、懐かしい気持ちになる。
  • 青い地球を見てみたいと、宇宙に行く夢を馳せる。
  • 亡き祖母に思いを馳せ、涙がにじんだ。

3.広く知らしめる

人物の名前などが広く知れ渡る様子も、「馳せる」で表現できます。大きなことを行って世間の耳目を集め、広く素早く、すみずみまで知られるようなイメージです。「名を馳せる」などの使い方が一般的です。

【例文】

  • 新記録を打ち立てて、世界中にその名前を馳せる。
  • ノーベル文学賞を受賞して、国内外に名声を馳せる。
  • 盗人と悪名を馳せるねずみ小僧。

「馳せる」の類語

1.走らせる・駆けつける:疾駆

「疾駆」(しっく)は、馬や車などを速く走らせることです。人が速く走ることという意味でも使えます。「馳せる」と同じような意味合いですが、「急ぐ」ニュアンスは含まれていません。

【例文】

  • 短距離走の選手がトラックを疾駆する。
  • スポーツカーが急かされるように疾駆していく。

2.遠くのことに思いを巡らせる:思いを寄せる

「思いを寄せる」とは、自分の気持ちを向ける、心を傾けることです。特に「特定の人物(多くは異性)に好意の感情をいだく」という意で使われることが多いでしょう。前者のように幅広い意味でとらえた場合、「馳せる」と同じように用いることができます。

【例文】

  • 幼年時代を過ごした地に思いを寄せる。
  • 写真を見て、はるか昔に生きていた人へ思いを寄せる。

3.広く知らしめる:名を轟かせる

「名を轟かせる」(なをとどろかせる)とは、評判が幅広い地域まで広がること、一躍有名になることです。「轟く」には、大きな音が鳴り響くという意味があります。報道や口コミなどで声高に語られ、その名が響き渡るように広まることを例えています。

【例文】

  • 彼は世界的なコンクールで賞を得て天才と噂され、名を轟かせた。
  • SNSで名を轟かせ、フォロワーが爆発的に増えた。


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