「きょどる」の意味
「きょどる」はラ行五段活用の動詞で、何らかのことが原因でいつもとは違う様子が見られ、周囲からおかしいと思われる様子を表す言葉です。カタカナ混じりで「キョドる」とも表記します。
「挙動不審」が動詞化
「きょどる」という言葉は1990年代~2000年代にかけて生まれたといわれる比較的新しい言葉です。語源は「挙動不審(きょどうふしん)」(振る舞いが落ち着かずに周囲から怪しまれる)という四字熟語です。
「きょど」と縮めた形に、名詞を動詞化させる接尾辞「る」をつけて「きょどる」という動詞になりました。若者言葉に過ぎませんでしたが、今では広く使われ定着しています。
同じく言葉を省略して動詞化した言葉としては、以下のような例を挙げることができます。
- 「デコる」…「デコレーション」より、「飾りつける」という意味。
- 「テンパる」…麻雀用語「聴牌(テンパイ)」または、英語で「短気、癇癪」を表す"temper"より、「焦る、余裕をなくす」という意味。
- 「サボる」…「サボタージュ」より、「学校や仕事を怠けて休む」という意味。
「きょどる」の使い方
隠し事があってやましい、悩み事を上手く隠そうとして緊張している、大したことではなくてもバレたら恥ずかしいと感じているなどの様々な理由で、行動や表情がおかしくなっている状態を表すのに「きょどる」という言葉を使います。
「きょどる」例文
- Aくんを目の前にするときょどってしまうで、周囲に私の片想いが知れ渡っている。
- クーデターを起こそうとした家臣は、主君の前できょどり、計画が露見した。
- Bさんは裏垢でSNSに悪口を書いたのが友人にバレないか、きょどっているらしい。
「きょどる」の類語
怪しい
「怪しい」(あや-しい)には複数の意味がありますが、平常の状態と違っていて疑わしい感じがする様子を表す場合に「きょどる」と同じように表現できます。その場合は、「行動が怪しい」「振る舞いが怪しく思われる」といった形で使うとよいでしょう。
【例文】
- Cさんの行動が怪しい。何か隠しているのではないか。
- Dさんの振る舞いが怪しく、スパイなのではと思った。
狼狽える・狼狽
「狼狽える」(うろた-える)、「狼狽」(ろうばい)は、驚き慌てふためいて取り乱す様子のことです。特に不意打ちされて動揺する時に使われます。
突然、相手から図星をつく発言があり、落ち着かずに困った様子を見せた場合に、「きょどる」と同じような意味で使うことができるでしょう。
【例文】
- 自分の発言で、Eさんの表情がひどく狼狽えたように見えた。
- 「Fちゃんが好きなんだろ?」と悪友に言われ、狼狽してしまった。