「大車輪の活躍」とは?
「大車輪の活躍」(だいしゃりん-の-かつやく)とは、「一生懸命に精を出して活躍すること」という意味の言葉です。
「(大)車輪」という言葉自体に「一生懸命働く」「熱心に励んで何事かする」という意味合いが含まれており、それに「活躍」を加えた表現が「大車輪の活躍」です。
いまいち言葉のイメージが浮かばない方は、文字通り「大きな車輪」を思い浮かべ、それが力強く前進して何らかの役割を果たすさま、と考えると意味がつかみやすくなるかもしれません。
「大車輪の活躍」の使い方
「大車輪の活躍」という言葉がよく聞かれるのは、スポーツなど身体を動かして結果を競う競技分野や、諸要素をうまく活用して成果を挙げることが求められるビジネスなどのシーンです。
大きな車輪が回転するがごとく、他を圧倒するほどの奮闘ぶりや、迫力を感じるほどの懸命さが伝わる物事であれば、幅広く「大車輪(の活躍)」を使うことができるでしょう。
ただし、いくら一生懸命になっても結果が伴わなければ「空回り」となってしまい「活躍」という表現は適しません。大規模な計画を軌道に乗せたり、誰もが認める成果を挙げたりすることなどが「大車輪の活躍」を使う上でのポイントです。
例文
(大車輪の活躍)
- 今年初めてチームに加わった〇〇選手は、下馬評を覆す大車輪の活躍を見せ、万年最下位だった弱小チームをベスト4まで押し上げた。
- 〇〇社の営業部長は、前代未聞のアイディアと行動力で他社のシェアを削り取り、社を年商1億の大台に乗せるなど大車輪の活躍で社員から尊敬された。
- 〇〇国に新設された精鋭揃いの作戦部隊は、敵地の偵察、潜入、輸送、電撃戦、さらには防衛まで、大車輪の活躍で相手国を恐れさせた。
(大車輪)
- 感染症対策のため、迅速かつ確実な検査法を確立・実施する取り組みが大車輪で進められた。
- 〇〇選手は、移籍先のチームで大車輪の働きをしています。
「大車輪の活躍」の語源
「大車輪の活躍」の語源は、正確にはわかっていません。考えられる例としては以下の二つです。
- 体操(鉄棒)における技のひとつ。
- 大きな車輪。転じて、「仕事の象徴」や「前進や進歩の象徴」。
1は、鉄棒を手でつかみ、身体を伸ばして軸の周りを360℃回転する技のことです(いくつかバリエーションがあります)。迫力があり見ごたえがあることから、この技にちなんで「大車輪の活躍」という表現が定着した説がひとつ。
2番目は、装置としての大きな車輪です。車輪は人類史における非常に重要な発明品であり、これなくして文明は成り立ちませんでした。転じて、重い物を動かす仕事や、前進・進歩などを象徴する語として「大車輪の活躍」が成立したと考えられます。
少し変わった「大車輪」の意味
「大車輪」という言葉には、「(物としての)大きな車輪」「一生懸命何かする」という以外にも、少し変わった意味があります。
使われているジャンルは限られていますが、いくつかご紹介します。
麻雀の役「大車輪」
麻雀の役のひとつに「大車輪」があり、2から8までの筒子(ピンズ)をすべて対子(トイツ)で揃えることで役が成立します。
ただし、一般にはローカルルールとされているため「大車輪」の役が採用されているところは少なく、また役のルールも完全には固定されていないようです。派生役として、「小車輪」や「中車輪」もあります。
トワリングの技「大車輪」
トワリング(特に、バトンに火をつけて行う「トーチトワリング」)の技のひとつに「大車輪」と呼ばれるものがあります。
トーチを身体の前後で回すさまが車輪が回転しているように見えるため、このように名づけられているとみられます。さらに、小さな動作で回すことを「小車輪」や「風車」と呼ぶこともあります。
ゲームの技名「大車輪」
スクウェア・エニックスによる一般向けゲーム『ロマンシング・サガ3』に、「大車輪」という名の槍技が存在します。
比較的序盤から修得できる割に使い勝手や威力に対するコストパフォーマンスが良く、多くのプレイヤーにとって終盤まで頼りになる、まさに「大車輪の活躍」が期待できる技です。