「玲瓏」の意味
「玲瓏(れいろう)」には、以下のような意味があります。
- 玉や金属などによって美しく冴えた音が鳴るさま。声音が澄んで美しく響くさま。
- 玉などが透き通っていて曇りがない様子。
- 明るく光り輝いて美しいさま。澄み切っていて美しいさま。
「玲瓏」の「玲(れい)」には、「玉や金属が触れ合って鳴る美しい音」「透き通るように美しく際立っているさま」という意味があります。また、「瓏(ろう)」は「玉・金属・風などの音を形容する表現」「あきらかなさま」という意味です。
「瓏玲(ろうれい)」という言葉も存在する
「玲瓏」に使われている漢字を逆にすると「瓏玲(ろうれい)」となりますが、これは「瓏」という漢字の熟語です。「瓏玲」とは、「玉などが光り輝いているさま」「玉や金属がさわやかに鳴っている音を形容する表現」という意味です。
「玲瓏」と同じ漢字を用いた表現であるため、似たような意味を表します。
「玲瓏」の使い方
「玲瓏」は一語として使われるよりも、「玲瓏たる」「玲瓏として」のように他の言葉を修飾するかたちで使われることが多いようです。また、口語よりも文語として使うことが多い表現と言えるでしょう。
例文
- 会場中に響き渡る玲瓏たる歌声に、すべての観客が魅了された。
- 玲瓏と輝いている宝石の数々に、私たちは息を呑んだ。
- このように玲瓏として澄んでいるガラス細工を見つけられたことに感動している。
「玲瓏」の類語
「玲瓏」には、「音が美しく響くさま」「曇りがなく透き通っているさま」「光り輝いているさま」という意味があります。ここでは、それぞれの意味ごとに類語を見てみましょう。
「音」を表す「玲瓏」の類語
【朗朗(ろうろう)】
「朗朗」は、「声などが高く透き通っている様子」を表す言葉です。「声が大きくてはっきりしている様子」を表現することもできます。「朗朗と響き渡る声に圧倒された」のように使用します。また、「月などが明るいこと」という意味もあわせ持っています。
【琅琅(ろうろう)】
「琅琅」は、「玉や金属によって鳴る音」という意味です。「琅」の俗字である「瑯」を用いて「瑯瑯」と表記することも可能です。「2つの玉がぶつかり合う音が琅琅と響いている」のように使います。また、「琅琅」には「鳥のさえずり」という意味もあります。
【玲玲(れいれい)】
「玲玲」とは、「玉や金属が触れ合うことで美しい音を鳴らすさま」という意味です。「神社の鈴が玲玲と鳴り響く」のように使います。また、「光り輝くさま」を表す表現としても用いることができます。
「透き通っている」という意味の「玲瓏」の類語
【透明(とうめい)】
「透明」には、「透き通り、曇りがないこと」という意味があります。「この川の水は無色透明だ」のように使います。
【澄明(ちょうめい)】
「澄明」とは、「水や空気などが澄みきっていて、濁りがないこと」という意味です。「この森の中には澄明な空気が流れている」のように使います。
「輝き」を表す「玲瓏」の類語
【燦然(さんぜん)】
「燦然」は、「きらきらと美しく鮮明に光り輝くこと」という意味の言葉です。「燦然と光り輝く宝石に目を奪われた」のように使います。
【煌煌(こうこう)】
「煌煌」とは、「きらきらと光り輝くさま」という意味です。「繁華街の明かりが煌煌と輝いている」のような使い方をします。
【爛爛(らんらん)】
「爛爛」は、「光り輝くさま」という意味ですが、特に「眼光が鋭く光って輝いている様子」を表したいときに使われる表現です。「難題に直面したときほど、彼の眼は爛爛と輝いている」のように使います。
「玲瓏」を用いた四字熟語
八面玲瓏(はちめんれいろう)
「八面玲瓏(はちめんれいろう)」の「八面」とは、「あらゆる方面」という意味です。このことから「八面玲瓏」には、どの方向から見ても美しく透き通っていること・心が澄んでいて美しくわだかまりがまったくないことという意味があります。
また、複数の人と問題を起こすことなく円満に交際する様子のたとえとして使われることもあります。
【例文】
- この山の八面玲瓏たる姿に圧倒されるばかりだ。
- 彼女はいつも八面玲瓏の心持ちであることが言動から伝わってくる。
百様玲瓏(ひゃくようれいろう)
「百様玲瓏(ひゃくようれいろう)」の「百様」とは、「さまざまな状態・有り様」という意味です。このことから「百様玲瓏」には、いろいろな種類の美しさが存在する様子という意味があります。
【例文】
- 百様玲瓏の自然を目の前にして、心が洗われるようだった。
- この美術館には百様玲瓏の作品が展示されている。