「朝チュン」とは
「朝チュン」とは、漫画やアニメ、小説、映画などで使われる、性行為があったことを示唆する技法、またはそのシーンを指す言葉です。
なぜ「朝チュン」と呼ばれるのか
少年漫画などでは過激な性描写が規制されるため、その場面が描かれないことがほとんどです。例えば、部屋で二人きりの男女がいいムードになった後、すぐに朝を迎え、二人が半裸で眠っているシーンに飛んだりします。そのシーンの合間や直後に、電線に止まる鳥(スズメである場合が多いです)や「チュンチュン」という鳥がさえずるオノマトペが挿入され、いつしか「朝チュン」と呼ばれるようになりました。
「朝チュン」は性行為を示唆する上で、とても効果的な技法とされ、漫画だけにとどまらず、アニメや映画、ライトノベルなど、たくさんの媒体で使用されます。
また、鳥の姿や鳴き声がなくとも、性行為があったと思われるシーンであれば、「朝チュン」と呼ばれることもあります。例えば「山小屋で一夜を過ごした男女が翌朝、お互いの顔を見て照れる」などの描写も「朝チュン」と言えるでしょう。
「朝チュン」の元ネタ
「朝チュン」はオタク用語として十数年前に生まれたものです。そのせいか、漫画作品やアニメ作品で使われたのが発祥と言われることもあるのですが、「濡れ場をあえて省く演出」はかなり昔からあるもので、元ネタを特定するのは不可能と思われます。
著名な作家である浅田次郎先生が自らのエッセイで「濡れ場を描けないからこんな描写になる」と発言していることからもわかるように、かなり由緒ある技法と言えるでしょう。
「朝チュン」の使い方
「朝チュン」は性行為を示唆する技法やそのシーンであり、使う場面はかなり限定されます。例えば「性行為した」を「朝チュンした」と表現するのは誤りです。友達と映画などを見てるときに、性行為があったと思われるシーンに出くわしたとき、「今の朝チュンだよな」と気まずさを誤魔化すために使うのが、実生活の中で想定される唯一の使用状況だと思われます。ただし、相手が「朝チュン」を知らないとより気まずくなる可能性もあるので、注意が必要です。
「朝チュン」がタイトルに入っている作品
漫画ではよく見かける「朝チュン」ですが、タイトルの中に「朝チュン」が入っている作品は非常に珍しいです。そんな珍しい漫画作品を二つ、ご紹介いたします。
華谷艶著 朝チュン!
フラワーコミックスより出版されている「朝チュン!」。ストレートなタイトルですね。2010年に発売されている少女漫画です。幼馴染と久しぶりに再会してみると、ものすごいイケメンに成長していて、しかも同居することに!と、内容も大変ストレートです。一巻完結なので、手にも取りやすいのではないでしょうか。
音井れこ丸著 世界を救うために亜人と朝チュンできますか?
こちらは「コミックウォーカー」というウェブサイトで無料公開されている作品です。「亜人(エフルなどの、人に近い存在のこと)」が存在する世界を舞台にしたファンタジー作品です。世界観は現代に近く、「もし亜人が現実の世界に存在したら」というifの世界とも捉えられます。2017年12月より連載されています。
「朝チュン」まとめ
オタク用語として定着している「朝チュン」ですが、作品を彩る演出としてはたいへん素晴らしいものです。そういった部分に目を向けて作品を鑑賞するのも、楽しみ方の一つと言えるのではないでしょうか。