「呈する」とは?意味や使い方をご紹介

「呈する」というと、誰かに何かを贈る状況を思い浮かべるでしょうか。それとも「苦言を呈する」のようにきつい言葉を投げかける時に使うという印象があるかもしれません。少し分かりづらいイメージの「呈する」の意味や使い方について、類語とともに紹介します。

目次

  1. 「呈する」の意味
  2. 「呈する」の使い方
  3. 目上の人に「苦言を呈する」?
  4. 「呈する」の類語

「呈する」の意味

「呈する」(ていする)の意味は以下の通りです。

  1. 差し上げる。進呈する。
  2. ~の状態である。~の状態をあらわす。

「呈」の字には、はっきりと見えるように表す、示すといったことや、自分よりも上位の人に差し出す、すすめるという意味があります。

「呈する」の使い方

①差し上げる

上司や取引先などで目上の人や、お世話になった方に物を差し上げること、何かを贈ることを表現するときに「呈する」を使います。ただし、「呈する」は、相手に尊敬の意を表す敬語ではありません。あくまでも目上の相手に差し上げるという事実を述べるにすぎません。

【例文】

  • お世話になった方に、自社の商品を呈した。
  • 記念式典で出席者の方に書を呈した。
  • 取引先の担当者に苦言を呈した。

②~の状態である、~の状態をあらわす

ある状態であること、そのような状態を表すことについて、「呈する」と表現できます。「活況を呈する」(取引などの経済の活動が盛んになる状態であること)、「様相を呈する」(~のような状態になる)といった使い方があります。

【例文】

  • 有価証券の取引が活況を呈する。
  • 互いに反目しあい、争いの様相を呈する。
  • 青色を呈したガーランドが飾られている。

目上の人に「苦言を呈する」?

目上の方に「賛辞(さんじ)を呈する」なら、相手を褒める言葉を差し上げるという意味となり、①の「差し上げる」意味での「呈する」がふさわしいように感じられます。

しかし、「苦言を呈する」や「疑問を呈する」となると、ネガティブで目上の相手に贈るのには適当でない言葉という印象があります。「苦言」は、相手を諌(いさ)める忠告の言葉であり、「疑問」は、真偽が疑わしいことや相手に疑わしいことを問うことです。

たとえ耳障(みみざわ)りなことであっても、目上の相手に思いやりの気持ちを持っていることには変わりありません。「呈する」であえて言いにくいことをはっきりと言うことで、相手の立場をより良いものにしていこうという気持ちが感じられます。

「呈する」の類語

献上する

「献上する」(けんじょうする)は、主君や身分の高い人に物を差し上げることです。「呈する」と似ていますが、「献上する」相手は、貴族などの高貴な身分の人です。他に、試合などで点数を相手方に取られてしまうことも自虐的に「献上する」と表すことがあります。

【例文】

  • 地域の名産品を貴人に献上した。
  • ミスをして相手チームに2点献上するはめになった。

示す

「示す」(しめす)には多くの意味があります。中でも「ある現象が起きた時の物事の状態や傾向を表す」という意味合いなら、2の意味の「呈する」と同じように使えます。

【例文】

  • 彼女に何を言っても生返事なら、あなたに気がないことを示しているよ。
  • 笠雲が富士山にかかると雨が降ることを示すそうだ。


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