「おどろおどろしい」とは?
「おどろおどろしい」には、大きく分けて以下の3つの意味があります。
- いかにも恐ろしい。異様で気味が悪い。
- 仰々しい。大げさ。厳(いか)めしい。
- 量や程度がはなはだしく、耳目を驚かせるさま。
まずは、下線を引いた1番目「いかにも恐ろしく、異様で、不気味である」という意味を「おどろおどろしい」の基本として押さえておきましょう。
なぜなら、現代語の中では、2番目や3番目の意味で使われる場合も、1番目の意味に結びついていることがほとんどだからです。
「おどろおどろしい」の使い方
「おどろおどろしい」を使うにあたっては、ただ「恐ろしい」のではなく、「いかにも(まことに)恐ろしい」というさまを表すことを踏まえておきましょう。
例えば、遊園地のお化け屋敷を想像しましょう。「ひゅ~どろどろ~」と仰々しい効果音や、非現実的な光の演出とともに、いかにも芝居がかったメイクをしたお化けがあなたを驚かすさまが、まさしく「おどろおどろしい」と形容される状態です。
「大げさで仰々しいさま」や「目や耳を驚かせるさま」だけでも「おどろおどろしい」と言われることがありますが、それらの様子も最終的には「不気味だ、恐ろしい」という様子につながることが多いのです。
例文
- メドゥーサの首を模したおどろおどろしい立体看板に、ホラー好きの私は強い興味をひかれた。
- モーツァルトの『レクイエム』を知ってる?荘厳な雰囲気だけどおどろおどろしい曲で、私は苦手なの。夜にはとてもひとりで聴けないわ。
- 凄惨をきわめる犯行現場からは、犯人のおどろおどろしい情念が感じ取れる。よほど被害者を憎んでいたのだろう。
- 庭木の葉が、おどろおどろしい人影のように窓の外に踊っている。
「おどろおどろしい」の語源
「おどろおどろしい」という言葉の語源は、「驚く」であると考えられています。つまり無理やり漢字で書くと「驚ろ驚ろしい」となるわけですね。
平安時代ころに用例が確認されていますが、その頃は「仰々しい、仰山(ぎょうさん)ある(≒たくさんある)」という意味が主であったようです。
語源は「驚く」だけではなく、のちに「どろどろ」などの擬音語が合わさり、「おどろおどろしい人間関係」(=どろどろした人間関係)のように、情念の恐ろしさなどを意味に含むようになったという説もあります。
「おどろおどろしい」を英語で言うと?
「おどろおどろしい」を英語で言いたい場合には、「weird」(不思議な、不気味な、異様な)や「ominous」(不吉な、不気味な)が良いでしょう。
「weird」は超自然的な存在(幽霊など)を思わせるニュアンスがありますので、「仰々しい」という意味をも含んだ「おどろおどろしい」の訳語にもっとも近いといえます。
ただし、「weird」はカジュアルに「おかしいな」と言う際に使われることもありますので、「(いかにも)恐ろしい」というニュアンスを強調したい時には、「terrified」(ぞっとする)や「frighten」(恐い)などの単語を用いたほうがいいでしょう。
例文
- I sometimes have weird nightmares and become depressed.(私はたまにおどろおどろしい悪夢を見て、憂鬱になります)
- The ominous sounds of wind went on all through the night.(おどろおどろしい風の音が夜じゅう続いた)
- At that time, a terrified voice came from the depths of the forest.(その時、森の奥からおどろおどろしい声が響いてきた)