「紫電一閃」の意味
「紫電一閃(しでんいっせん)」は、「紫電」と「一閃」という言葉から成る四字熟語です。「紫電」は、紫色の電光や、刀剣や眼光などの鋭い光のことを指します。また「一閃」には、ぴかりと光るような瞬間的な鋭い光という意味があります。
似た意味の熟語を重ねて構成されている「紫電一閃」は、非常に短い時間のことや、急速かつ急激に事態が変化することのたとえとして使われます。また、切迫した状況を表す際にも用いることができます。
「紫電一閃」の使い方
「紫電一閃」は、広く知られた四字熟語とは言えないかもしれません。やや難しいフレーズですから、書き言葉として用いる傾向にあります。話し言葉として使えないわけではありませんが、うまく伝わらない可能性もあるでしょう。
「紫電一閃」の例文
- 突然の豪雨で紫電一閃、街の景色が様変わりした。
- 企業トップによる不正が報じられた結果、紫電一閃、株価が急落してしまった。
- 紫電一閃で勝負に決着がつくほどに、両者の力の差は歴然だった。
「紫電一閃」に類する意の四字熟語
「紫電一閃」には、非常に多くの類語がありますが、その中でも四字熟語に絞ってご紹介します。「紫電一閃」は聞き慣れない言葉かもしれませんが、類語の中には皆さんが聞いたことのある四字熟語も存在するでしょう。
光芒一閃(こうぼういっせん)
「光芒一閃(こうぼういっせん)」は、一瞬ぴかりと光る光のように物事や状況が瞬間的に急激に変化することのたとえです。
「光芒」は雲のすき間から漏れる光のような、すじになってきらきらとしている光のことを指します。「一閃」は「紫電一閃」の意味でも説明したとおり、瞬間的に鋭く光る光のことです。「紫電一閃」とほとんど同じように用いることができます。
【例文】
- 彼らはとても有利に事を進めていたが、光芒一閃、予想外の劣勢に立たされた。
- ダムの水不足が連日報じられていたが、光芒一閃、ゲリラ豪雨によってあっという間に水不足が解消された。
電光石火(でんこうせっか)
「電光石火(でんこうせっか)」は、動きが極めて素早いことや時間が非常に短いことのたとえとして使われます。
「電光」とは雷による放電で生じる発光現象、すなわち稲妻のことを指し、「石火」は火打ち石を打ったときに一瞬出る火のことを指します。
【例文】
- 彼の電光石火の行動は、まるで忍者のようだった。
- 電光石火のごとく、私の脳裏にあのときの感情がよみがえった。
電光朝露(でんこうちょうろ)
「電光朝露(でんこうちょうろ)」は、非常に短い時間やはかないもののたとえです。「電光」は一瞬の稲光のことを指し、「朝露」は朝、植物などにつく水滴を表します。
朝露は太陽によってすぐに消えるものですから、古くからはかなさを表す言葉として用いられてきました。一瞬の出来事ということに加え、それがすぐに消えてしまうようはかないものである、というニュアンスを含んでいます。
【例文】
- この宇宙の歴史と比べれば、人の人生なんて電光朝露の命だ。
- 自然の美しさは電光朝露、だからこそ私はこの瞬間を写真に残したいと思っている。
疾風迅雷(しっぷうじんらい)
「疾風迅雷(しっぷうじんらい)」は、事態が急速に変化したことや行動が非常に素早いことを表すたとえとして使われます。「疾風雷神」としては誤用ですので注意しましょう。
「疾風」は速く吹いている風のことを指し、「迅雷」は激しい雷鳴や急な雷のことを表します。どちらも勢いがあって、非常に速く激しいことを意味しています。
【例文】
- それまでの状況からは想像もできないくらい、疾風迅雷のごとく事態は好転していった。
- 疾風迅雷のごとく、彼は私の前に現れて去っていった。
破竹之勢(はちくのいきおい)
「破竹之勢(はちくのいきおい)」は、とどまることができないほどに激しい勢いで進んでいくことを意味します。「破竹の勢い」と表現することもあります。
「破竹」とは竹を割ることですが、竹は一節割ると一気に割れていくことから、勢いのよさを表す言葉として使われます。
【例文】
- 彼のチームは破竹之勢で次々とプロジェクトを成功させている。
- 彼らが破竹之勢で進んでいく姿は、見ているこちらをも清々しい気持ちにさせる。