電光石火の意味
「電光石火」には大きく二つの意味があります。一つは、「非常に短い時間」のたとえです。由来的にはこちらが正しい意味です。「電光石火のごとく」という表現はこちらの意味になりますね。
もう一つは「動きや動作が素早いこと」という意味です。ご存知『ポケモン』に出てくるピカチュウの得意技ですね。最近はこちらの意味で使うケースが多く見られます。
電光石火の由来
「電光石火」は「電光」と「石火」に分けられます。「電光」は「かみなり」、つまり雷鳴と稲光です。「石火」は火打石のことです。
由来:電光
「かみなり」が落ちる時は、まずピカッと光り、その後少し遅れてドーンと雷鳴が聞こえてきます。理科の授業で習ったかもしれませんね。
距離があると光と音の間隔は何秒かずれるのですが、近くに雷が落ちると光と音は同時にも感じられます。ここから、「かみなり」の稲光と雷鳴のようにわずかな時間で、という意味になりました。
由来:石火
「石火」も同じくわずかな時間を指します。火打石で火をつけた経験のある方はまずいないでしょう。火打石で火をつける時の様子については次のように言われています。石を打ってから火花が出るまでの間に時間はほとんどなく、一瞬の出来事であると。それ故、「石火」もわずかな時間のたとえとして使われています。
「わずかな時間」から派生した意味
そして、そんなわずかな時間で何かを成し遂げるためにはどうしたらよいでしょうか。計画や準備も大切ですが、動作自体もスピーディで機敏であることが求められますよね。だから、「電光石火」には動きが速いという意味もあるのです。
電光石火の使い方
- 事前調査が甘かったのか、彼はスキャンダルで電光石火の降板となった。
- 「もう時間が残っていない。電光石火の早業で準備してくれ。」
- 「電光ニュースが飛び込んで来ただと!」
最後の例文のように「電光石火」は「電光」と省略される場合もあります。
電光石火の類義語
疾風迅雷
「疾風迅雷(しっぷうじんらい)」は行動が素早く激しいことの意味でよく使われる四字熟語です。「疾風」は早くて激しい風、「迅雷」は激しくなるかみなりです。古代中国の『礼記』が出典です。
風のように早く、かみなりのように激しく動けというわけではありません。昔の人々にとって、風もかみなりも神々の怒りという認識です。それがどちらもあったのなら神がとても怒っている。ならばたとえ夜でも起きて速やかに服装や態度を改めるべきである、という意味でした。
即断即決
「即断即決(そくだんそっけつ)」とは時間を取ってじっくり考えずにその場で決断を下すことです。ビジネス分野などで「彼の長所は即断即決するところだ。」や「座右の銘は即断即決です。」といった形でよく用いられます。
熛至風起
「熛至風起(ひょうしふうき)」も物事の決断や行動の速さを表現する言葉です。「熛至」とは火の粉が飛ぶことを、「風起」は風が起きることを指します。
火の粉が舞いあがったり風が吹いてくるのと同じくらい早いという意味ですが、マイナーな四字熟語なのでめったに見かけることはないでしょう。
紫電一閃
「紫電一閃(しでんいっせん)」は自体が急転換するほんの一瞬を指す言葉です。「紫電」は「電光」と同じくかみなりを、「一閃」はそれがきらめくことを意味します。かみなりが落ちるような一瞬で事態が大きく変わってしまうという意味で使われます。