「雑然」とは?意味や使い方を対義語を含めてご紹介

「雑然とした部屋」と聞くと、散らかり放題でごちゃごちゃした部屋を想像するかもしれません。「雑然」とは、まとまりのないさまという意味の言葉ですが、「もの」以外の状態を表す時にも使うことができます。今回は「雑然」の意味や使い方を対義語を含めて紹介します。

目次

  1. 「雑然」の意味
  2. 「雑然」の使い方
  3. 「雑然」の対義語
  4. 「雑然」の類語

「雑然」の意味

「雑然(ざつぜん)」とは「ごたごた入り混じっているさま。まとまりのないさま」という意味です。平たく言えば、「ごちゃごちゃしている」ということですね。

「雑」には「種々のものの入り混じること。統一なく集まっていること。余計なもの」などの意味があります。また、「然」にはさまざまな意味がありますが、ここでは「状態を表す形容の語をつくる接尾語」「~らしいさま」という意味で用いられます。

「雑然」の使い方

「雑然」は、「雑然とした○○」や「雑然たる○○」などのほか、「~は雑然としている」といった言い回しで用いられる形容動詞です。物理的に散らかっている様子を指すほかにも、「雰囲気」や「概念」のような形のないものに対しても使うことができます。

例文

  • 友人の新しい部屋は、引っ越しをしてきたばかりかと思うほど雑然としていた。
  • 雑然とした雰囲気の中にアナウンスが流れ、ホールが一瞬で静かになった。
  • ネットには雑然たる情報が溢れていて、真偽を見定めるのが難しい。
  • 買い物客であふれかえり、店内は雑然紛然としている。

「雑然紛然」

「紛然」とは、「物が入り混じっているさま、ごたごたしているさま」を表します。「雑然紛然(ざつぜんふんぜん)」は似た意味の言葉を重ねた四字熟語で、いろいろなものが入り混じってまとまりのないという意味です。

二語を入れ替えた「紛然雑然」という言葉もありますが、これも同様の意味を持ちます。

「雑然」の対義語

「雑然」の対義語に当たるのは「整然」です。ここでは「整然」について見ていきましょう。

「整然」

「整然(せいぜん)」は「正しく整ったさま」という意味です。「整然と並べられている」や「整然とした環境」などのように使われます。「井然(せいぜん)」と表しても同じ意味をもちます。「雑然」と同様に、形があるものにも、ないものにも用いられます。

【例文】

  • 両親は、私の学力アップのために整然とした環境づくりを徹底した。
  • 彼女のデスクはとても整然としていて、性格が表れているようだった。
  • 彼は若年ながら整然たる論理を展開して教授たちを驚かせた。

「整然」を含む四字熟語

【理路整然】(りろせいぜん)
「理路」とは話や考えの筋道のことですから、「理路整然」は、物事や話の筋道がきちんと整っているさまを指す言葉です。「理路整然な思考」や「理路整然と話す」のように用います。

【秩序整然】(ちつじょせいぜん)
「秩序」は物事の筋道や、社会や集団などの要素が互いに結びついて調和を保っている状態を指しています。「秩序整然」とは、物事の順序が整っていることを表す言葉です。

「雑然」の類語

「無秩序」

「秩序」とは「物事の正しい順序・道筋」、「社会での規則立った関係」という意味があります。つまり「無秩序」とは、「物事の正しい順序や道筋が無く、乱雑しているさま」を表します。

【例文】

  • 経済や医療の破綻が起これば、国内が無秩序になってしまうだろう。
  • 無秩序に並べられたトランプの中から、好きなカードを選んでください。

「乱雑」

「乱雑(らんざつ)」とは「入り混じること。入り乱れて秩序の無いこと」を意味します。「雑然」と「無秩序」の両方のニュアンスを含むような言葉です。

【例文】

  • テストのためにノートを見返したが、乱雑に書きすぎていて復習にならない。
  • 長い間使われていなかった倉庫には道具が乱雑に置かれ、掃除に手間がかかった。
  • 急に帰国を要請されたので、手持ちの洋服を乱雑に詰め、慌てて空港へと向かった。

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