「其々」の意味
「其々」は「それぞれ・それそれ」と読みます。他に「夫々・其れ其れ・夫れ夫れ」も全て「それぞれ・それそれ」と読みます。日常会話レベルでも良く耳にする言葉ですが、以下のような意味があります。
【「其々」の意味】
- おのおの・めいめい
- それであると人に注意を促す時にいう言葉
「それぞれ」で使うことは比較的知られていますが、物を指さす時や、何か思い出した時にふと出る「それそれ」という言葉にも当てはまる漢字なのです。
「其」の字義
「其」という漢字は、常用漢字に含まれていません。音読みで「き・ぎ」訓読みで「その」など読み、人やモノを指す指定代名詞です。
なお、常用漢字とは、多数で複雑な漢字の不便を避けるため臨時国語調査会が指定した日常使用の漢字のことで、平成22年改定後その数は2136字になっています。
「々」の字義
「々」に読み方は存在しません。これは「踊り字」の1つで文字を繰り返す意味があります。「時々・様々・洋々」などがこれに当てはまります。
手紙など自筆のものであれば「々」はそのまま記述すれば良いですが、パソコンなどでは「々」は「おなじ」もしくは「くりかえし」と入力して変換します。
「其々」の使い方
- これから配るプリントは其々一枚ずつ取って後ろの人に回してください。余ったら先生の所に持ってくるように。
- 今日の家庭科の授業では其々のグループでスイートポテトとミックスジュースを作ることになった。
- 理由は人其々だと思うけれど、学校に遅刻する事は決して許されることではありません。今後注意をするように。
- 彼にハサミを取るように頼まれて探していると、其々(それそれ)と連呼するので目を移すとハサミを足で踏んでいた。
「其々」の類語
「各々」
「各々」は「おのおの」と読み「多くの人やモノの1つ1つ・めいめい」という意味があります。また代名詞として「各々」を使う場合は「みなさん・大勢」という意味になります。
【例文】
- 学校の風紀を良くしようと思うならば、生徒各々の風紀に対する考え方を改める必要があると私は諭した。
- 明日の演劇は各々セリフをしっかり覚えて、完璧な芝居を見せましょう。緊張しすぎないように気を付けて。
- 各々方、今日はこのクラスに転校生がやってきます。仲良くしてあげて下さいね。
「各自」
「各自」は「かくじ」と読み、「おのおの・めいめい」という意味があります。ちなみに「めいめい」は漢字で「銘銘」と書きます。
【例文】
- テスト範囲は今日の授業で扱ったところまでなので各自しっかりと勉強をしておくように。
- 集合時間に間に合わなかった生徒は置いていくので各自時間には注意して行動するように。
- 各自身体を動かしてマラソン大会のスタートに備えている。
「其々」を英語で
「其々」を英語で言う場合、「each other」や「several」「one's own~」など比較的簡単な単語で表記できます。また「different road」と書くと「それぞれの道」といった洒落た言い回しも出来ます。
例文
【例文1】
- My childhood friend and I were always together, but we decided to take our own path in college.
- 私と彼女は幼馴染でいつも一緒にいたが、大学でそれぞれの道を歩むことになった。
【例文2】
- Today's class was to pair up with the people next door and express different opinions.
- 今日の授業は隣の人とペアになって、それぞれの意見を語るものだった。
【例文3】
- There may be opinions, but it is wrong to meddle with them.
- それぞれの意見はあるだろうが手を出すのは間違っている。