「あざまる水産」とは
「あざまる水産」は主に若者たちの間で流行した新語・流行語の一つです。おそらく2018年頃に発生し、2019年にかけて流行した言葉であり、同時期の雑誌やインターネット記事の中では「最近の若者言葉」としてよく取り上げられています。
意味
「あざまる水産」の意味するところは、「ありがとうございます。」もしくは「ありがとうございました。」であり、他者に対して感謝の意を表したいときにつかわれます。
用法
- みんな来てくれてあざまる水産!
- フォロワー〇〇人突破あざまる水産!
- あざまる水産よいちょまる!!!
語源
「あざまる水産」は「あざまる」と「水産」という、二つの言葉により構成されています。これらの由縁について見ていけば、この言葉の成り立ちについて知ることができます。
あざまる
実は、「あざまる」単体でも「ありがとうございます。」を意味しています。「あざまる」の「あざ」は、「ありがとうございます」の略語です。
もともと「あざまる水産」が流行する前から、「ありがとうございます」を「あざ(っ)す」「あざした」のように略する表現が、若者言葉として知られていました。加えて、「り」(了解の意)のように、極端に語句を短縮した言葉がSNSを中心にやりとりされていました。
その中から今度は「あざ。」や「おけ。」のように、短縮された言葉に付与された「。(句点)」を「まる」と発音し、「あざまる」「おけまる」という風に表現するやり方が出てきたと言われています。
この「。」を「まる」と発音する理由については、語感の可愛らしさを表現していると見る向きもありますが、はっきりしたことはわかりません。
水産
「水産」の語源となっているのは「磯丸水産」です。「磯丸水産(いそまるすいさん)」はSFPホールディングス株式会社が運営する海鮮居酒屋チェーンであり、主に関東地方と近畿地方の各都市に出店しています。
「磯丸水産」は、海の家やイカ釣り船のような明るい店構えで、炉端焼きのように自分で海産物を焼いて食べるスタイルの居酒屋で、24時間営業が特徴となっています。
2009年2月に東京都武蔵野市吉祥寺に1号店をオープンして以来出店数も増えています。ちょっとした街ならばすぐに目にする店となったため、通りがかったり使用したりする機会も増加して、若者たちにも馴染みの店となっているのではないでしょうか。
あざまる+水産
もうおわかりのこととは思いますが、「あざまる水産」は「磯丸水産」と「あざまる」を組み合わせた「トートロジー(言葉遊び)」です。
「あざまる水産」とほぼ同時期の新語には「やばたにえんのむりちゃづけ(永谷園お茶漬け)」や「了解道中膝栗毛(東海道中膝栗毛)」なるものもあったようなので、こうした「ダジャレ」が当時の流行であったのかもしれません。
派生・関連語
あざまる水産よいちょまる
「あざまる水産よいちょまる」は「あざまる水産」の強調語とも言える表現です。「よいちょまる」は「よいしょ。」を若者(ギャル)風に言い換えた言葉で、テンションが上がっている時・あげたい時などに使われます。
「あざまる水産よいちょまる」は、「あざまる水産」に「よいちょまる」を付与したことで、やや意味不明にはなりましたが、「感謝」や「感激」といった、人間関係における正のエネルギーをより強調した言葉だと言えるでしょう。
おけまる水産
「おけまる水産」は「あざまる水産」と似た成り立ちの新語・流行語です。「あざまる水産」が「ありがとうございました。」なのに対し、「おけまる水産」は「おっけー。(OK)」の意味があります。
相手の提案などに対し、同意や了解の意図を示したいときに使用されます。