「漲る」の意味
「漲る(みなぎる)」とは、以下のような意味を持つ言葉です。
- 水が一杯になる。水勢が盛んである。
- 力・意志などが満ちあふれている。
1の意味では、たとえば「バケツの水が水面いっぱいに漲る」のように使われます。最近よく見られるのは、2の意味での用法です。「力が漲る」など、あふれるほどの力や意志で心が満ちている様子を表します。
「漲る」の使い方
「漲る」は日常会話の中でもよく使われる単語ですが、圧倒的に「ひらがな」で表記されていることが多い言葉です。普段の文章やメール・LINEなどでは、ひらがなを用いたほうが相手に伝わりやすいでしょう。
一方で、改まった手紙や小説などでは、あえて漢字の「漲る」を用いることで、強い印象を読み手に与えることができるでしょう。状況や相手によって使い分けていくことが重要と言えます。
「漲る」の例文・使用例
- 今年の新入社員は元気があって行動も素早いし、何というか若さが漲っているね。
- 筋力トレーニングの効果なのか、以前よりも腕に力が漲るのを感じる。
- 部員たちはやる気で漲っているので、指導する側にも自然と熱が入る。
- 雪どけ水が川面いっぱいに漲っており、春の訪れを感じる。
「漲る」の語源
「漲」という字は、「さんずい」に「張る」と書くことからもわかるとおり「水が一面に張り詰める」ことを意味しています。水が溢れんばかりに満ちている様子から意味が派生し、「力」や「感情」などに対しても使われるようになったと考えられています。
「漲る」の類語
滾る
「滾る(たぎる)」とは、以下の意味を持つ言葉です。
- 水がさかまいて激しく流れる。
- 煮えたつ。
- 激する気持ちが盛んにわきおこる。わきあがる。
なお「滾」という字には「水が盛んに流れるさま」や「湯が沸き返るさま」といった意味や、「(ころころと)転がるさま」という意味があります。
【使用例】
- 大雨の影響で、近所の川がものすごい勢いで滾っている。
- 鍋の中には、美味しそうな食材がグツグツと煮え滾っている。
- 彼は情熱を滾らせながら、目の前の任務に取り組んだ。
横溢する
「横溢する(おういつする)」とは、「いっぱいにみなぎること」「あふれ流れるほど盛んなこと」を指す言葉です。おもに水があるれるほどいっぱいな様子や、気力などがあふれ出るほどみなぎっている様子を表しています。
【使用例】
- 熱々のスープを口に含むと横溢する旨味の波が押し寄せ、得も言われぬ幸福感に包まれた。
- 横溢する若い力を武器に、次々とやるべきことをこなしていく。
血湧き肉躍る
「血湧き肉躍る(ちわきにくおどる)」とは、「感情がたかぶり、全身に活力がみなぎること」や「非常に興奮すること」を意味する言葉です。体中の血液が湧き上がり、肉体が跳ね上がるほど興奮している様子を表しています。
【使用例】
- 決勝戦の白熱したゲーム展開は、まさに血湧き肉躍る内容といえるものだった。
- この映画は血湧き肉躍るようなシーンの連続で、ぜひ君におすすめしたい。
ヒートアップする
「ヒートアップする」とは、「加熱すること」「気分などが非常に高まること」を意味する言葉で、英語の「heat up」に由来しています。「heat」には「熱」という意味があり、「up」には「上昇する。加わる」という意味があります。
【使用例】
- 決勝戦はお互い一歩も譲らない展開となり、場内の雰囲気もヒートアップしていた。
- 価格競争がさらにヒートアップし、中小企業への風当たりがより強くなっていった。