「数多」の意味
「数多」は「あまた」と読みます。稀に「すうた」と読むことがありますが、基本的には「あまた」です。以下のような意味を持っています。
- 数が多いさま。たくさん。多数。
- 程度が甚だしいさま。たいへん。非常に。
ここから見て取れるように、「数多」は数や程度が「大きい・はなはだしい」ことを表しており、「数多の軍勢」や「数多の旅行客」のように1の意味で使われることが多いです。なお「数多」は副詞ですが、「引く手数多」のように名詞的にも用いられます。
「数多」の使い方
「数多」は日常でもよく使う表現であり、これといったネガティブな意味も含んでいないため、用法さえ間違えなければあらゆるシーンで使える言葉です。
強いて言えば、やや堅いイメージがある言葉ですので、フランクな会話などでは「大量」や「すごく多い」といった表現を用いたほうが自然なコミュニケーションとなるかもしれません。
また、「あまた」と読むのがやや難しいため、場合によってはひらがなにしたり、他の表現を用いたりしたほうが相手に伝わりやすいケースもあります。
「数多」の例文・使用例
- 数多の星々が真冬の夜空を美しく輝かせており、見惚れた私はその場から動けなかった。
- 前職で大規模プロジェクトを成功させた実績のある彼女は、あらゆる企業から引く手数多だ。
- 新人アイドルオーディションには、日本中から数多の人々が集まった。
- 数多の動物たちに囲まれながら、彼は至福のひとときを過ごした。
「数多」の類語
幾多
「幾多(いくた)」とは、「数量の多いこと」「数多く」を意味する言葉です。「幾」という字には以下の意味があります。
- 数量の不明・不定の意。
- 数量の多い意や年月の長い意を表す。
「幾日」「幾人」などは1の意味で使われており、「幾多」は2の意味で使われています。「幾」と「多」という、似たような字を重ねることで、より意味を強めている表現と言えます。
【使用例】
- 幾多の英雄たちが、この戦場でしのぎを削った。
山盛り
「山盛り(やまもり)」とは、「物を山のように高く盛り上げる」ことを言い、数や量が多いことを表しています。「山盛りのご飯」「山盛りの資料」といった使い方をします。
【使用例】
- 彼は山盛りのフライドポテトをペロリと平らげた。
潤沢
「潤沢(じゅんたく)」とは、「ものが豊富にあること」「しっとりとしてつやのあるさま」などを意味する言葉です。
「潤」という字には「湿潤」「浸潤」といった言葉で用いられているように「うるおう」という意味があります。また「利潤」のように「もうけ」という意味もあります。
【使用例】
- あの会社が業界内で幅をきかせている理由の一つが、その潤沢な資金さ。
「数多」の反対語
僅か
「僅か(わずか)」とは、「数量・程度・価値・時間などがほんのすこしであるさま」を意味する言葉です。「僅」という字には「ほんの少し」「わずか」といった意味があり、「僅差(きんさ)」や「僅少」などといった表現で用いられています。
【使用例】
- 彼に残されたのは、僅かなお金とボロボロのコートのみであった。
鮮少
「鮮少(せんしょう)」とは、「非常に少ないことや、そのさま」を表す言葉です。「鮮」という字は「鮮やか」などの表現で有名ですが、その他にも「ほとんどない。すくない」といった意味もあります。
「鮮少」という言葉は、「すくない」というニュアンスを持つ「鮮」と「少」を組み合わせて、より意味を強めている表現といえます。
【使用例】
- 遺産相続をめぐる一家の争いの結末は、まことに鮮少な事例として記録された。