「蹲った」とは?意味や使い方をご紹介

「普段よく使う言葉でも、漢字にするだけで、まったく違う表現に見える。」今回ご紹介する「蹲った」は、まさにそんな言葉といえるでしょう。私たちが普段よくする姿勢のことなのですが、この漢字を読める方は少ないはずです。ここでは「蹲った」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「蹲った」とは?
  2. 「蹲った」の使い方
  3. 「蹲った」の例文・使用例
  4. 「蹲」の字義
  5. 「蹲った」の類語

「蹲った」とは?

まず「蹲った」には2つの読み方があります。「うずくまった」と「つくばった」です。両方とも「姿勢」を表す似たような意味の言葉ですが、やはり若干の違いが見られます。

「蹲った(うずくまった)」の意味

蹲った(うずくまった)」は、動詞「蹲る(うずくまる)」に、助動詞の「た」が付いた表現です。以下のような意味があります。

  1. 膝を折り、体を丸くしてしゃがむ。
  2. しゃがんで礼をする。

よく使われているのは1の意味で、おもに、膝を曲げて姿勢を低くした状態のことを指します。体を丸くしているイメージです。

「蹲った(つくばった)」の意味

蹲った(つくばった)」は、動詞「蹲う(つくばう)」に、助動詞の「た」が付いた表現です。以下のような意味があります。

  1. しゃがむ。うずくまる。つくばる。
  2. 平伏する。かしこまって控える

「うずくまる」との違いは、2の「平伏する」という意味を持っている点です。「這い蹲る(はいつくばる)」という言葉があるとおり、頭を地につけて礼をしたり、ひれふすといった意味で使われることがあります。

「蹲った」の使い方

蹲った」は漢字の読み方が難しいので、メールやLINEなど日常生活で使うような文章には、ひらがなで「うずくまった」または「つくばった」と表記すると、意味や内容が相手に伝わりやすいでしょう。

一方で、改まった手紙や小説などでは、漢字の「蹲った」を用いることで、知的な印象を読み手に与えたり、表現のマンネリを防ぐ効果が期待できます。状況に応じて漢字表記とひらがなを使い分けると良いでしょう。

「蹲った」の例文・使用例

  • 砲弾の音が聞こえると、彼はその場に蹲って、敵兵が去っていくのを待った。
  • 救助された子供たちは、しばらく蹲ったまま動こうとしなかった。
  • 彼は1時間以上も蹲った姿勢で同じ場所にいるので、心配した人々が次第に集まってきた。
  • 死にものぐるいで這い蹲った結果、彼はこの戦闘をなんとか生き延びた。

最後の文は「つくばった」としか読めませんが、そのほかの文は「うずくまった」「つくばった」とも読めます。

「蹲」の字義

」という漢字には以下のような意味があります。

  1. うずくまる。しゃがむ。蹲踞(そんきょ)。
  2. しりごみする。
  3. つくばい。茶室の入り口に低く据えてある手水鉢。

いくつか意味がありますが、「蹲った」は1の「うずくまる。しゃがむ。」に由来しています。なお「蹲踞(そんきょ)」とは相撲や剣道などで見られる礼の姿勢で、でつま先立ちで腰を下ろし、ひざを開いた姿勢のことを指します。

「蹲った」の類語

しゃがむ

「しゃがむ」とは、「ひざを曲げ、腰を落として姿勢を低くする」ことを言います。「うずくまる」との違いは、背中の使い方です。

「しゃがむ」はあくまで「ひざ」を曲げて低い姿勢となっているのに対し、「うずくまる」には背中を丸めながら低い姿勢となっているニュアンスがあります。

【使用例】写真を撮るから前の列の人はしゃがんでください。

屈む

屈む(かがむ)」とは、以下の意味を持つ言葉です。

  1. 腰などが前に曲がる。
  2. 腰やひざを折り曲げて姿勢を低くする。

「しゃがむ」と似ていますが、「屈む」の場合は1の用法にあるとおり、(ひざを曲げずに)腰のみを曲げている状態のことも指すことができます。

【使用例】彼女は目の前のタンポポを、屈んで手に取った。

平伏

平伏(へいふく)」とは、「両手をつき、頭を地につけて礼をすること。ひれふすこと。」を指す言葉です。「蹲った(つくばった)」と意味が似ている表現です。また「平伏す(ひれふす)」と読むこともあります。

【使用例】「こいつはたしかに悪事を働きましたが、根は良い奴です。どうか許してください。」と彼は平伏しながら領主に訴えた。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ