「san」とは?意味や使い方をご紹介

IT分野で、ゲームやアニメなどで、さらには工業化学や医学分野などで、「san」という言葉を見かけませんか?これはおもに何かの略称として用いられており、さまざまな意味があります。本記事では、「san」のそれぞれの意味や使い方などについて解説します。

目次

  1. 「san」の意味
  2. 1.IT用語「Storage Area Network」の略称(SAN)
  3. 「Storage Area Network」の関連語
  4. 2.ゲーム用語:「sanity」の略語(SAN値)
  5. 「SAN値」の関連語
  6. 3.そのほかのSAN

「san」の意味

「san」は、おもに次のような略称・略語として用いられています。

  1. IT用語:「Storage Area Network」の略称(SAN)
  2. ゲーム用語:「sanity」の略語(SAN値)

その他にもさまざまな略称として用いられています。それぞれの意味について詳しく説明していきましょう。

1.IT用語「Storage Area Network」の略称(SAN)

ハードディスク(HDD)にCDなどの光学メディア、URBメモリなどを接続して、データを保存することがありますね。このようなデータ保存用の箱のことをストレージ(Storage)と言います。

ストレージをネットワークに取り付けると、ネットワーク上のコンピュータすべてで、自分のHDDのように使うことができるのです。しかし、あるコンピュータとストレージの通信が、他のコンピュータの通信(メール受信など)の邪魔になってしまうことがあります。

そこで、ストレージを利用する一部のコンピュータとで専用のネットワークを作って高速化を図る場合があります。このネットワークのことを「SAN」と呼びます。

「SAN」とは、つまり、複数のコンピューターとストレージ(外部記憶装置)を接続する高速ネットワークのこと。「Storage Area Network(ストレージ・エリア・ネットワーク)」の略称です。

SAN(Storage Area Network)の使い方

  • 「会社のSANに異常があって、仕事にならない」
  • 「SANの構造は複雑だから、専門業者じゃないと理解できない」

SAN(Storage Area Network)のメリット・デメリット

【SANのメリット】

  • 高速でデータ転送できるので、別のネットワーク帯域に負荷をかけないデータ通信が可能。
  • 複数のデバイスを組み合わせることで、膨大な情報を保管、容易な管理を実現。
  • 遠距離通信をサポートできるので、遠隔バックアップにも対応。

【SANのデメリット】
  • 専用の機器が必要なため導入にコストがかかる。
  • 複雑な構造を理解するための専門的なノウハウが必要になる。

「Storage Area Network」の関連語

IT用語は、アルファベットの略語が多く、使い分けるのが難しいですね。SANと関連する言葉にも似たような略語があり、混同されがちです。ここでは、SANの関連語について見ていきましょう。

LAN(Local Area Network)

「LAN」とは、「Local Area Network(ローカル・エリア・ネットワーク)」の略称。簡単に言えば、家庭内やオフィス内といた狭い範囲のネットワークです。

LAN上のコンピュータやタブレット、プリンタなどは、ケーブルや無線で接続されており、互いのデータをやり取りすることができます。

LANは範囲を限定することで接続先が明確になるので、高速なデータ処理を低コストで行えるというメリットがあります。

NAS(Network-Attached Storage)

最近では、家庭でも、録画した動画や取り込んだ音楽などをネットワーク上に取り付けたストレージに保存し、家庭内LANに接続しているどのパソコンやタブレットなどでもそれらを楽しめるといった使い方がされていますね。

「NAS」は、「Network-Attached Storage」の略称です。つまり、「NAS」とは、このようにネットワーク上に取り付けたストレージのこと。SANとNASとの違いは、SANはネットワーク、NASはストレージを指すという点です。

DAS(Direct-Attached Storage)

パソコンに直接、外付けのHDDを接続してバックアップを取ることがありますね。このように、コンピュータに直接接続する外付けHDDや光学ドライブ(CDやDVDを読み書きする装置)が「DAS」です。

「DAS」は、「Direct-Attached Storage(ダイレクト・アタッチト・ストレージ)」の略称です。DAS自体は、SANやNASが登場する前から存在していましたが、DASという言葉は後から生まれました。

これは、ネットワークを介さないDASを、ネットワークを介するSANやNASと区別するためです。このように、物は以前からあるのに後から命名されることを指して「レトロニム(再命名)」と言います。

2.ゲーム用語:「sanity」の略語(SAN値)

ゲームにおける「SAN」は「SAN値」というかたちで用いられます。これは、英語で「正気」「思想や精神、判断の正常さ・健全さ」を意味する「sanity」の略した言葉です。よって、「SAN値(さんち)」は「正気度」または「判断の正常さや精神の正常さ」を表します。

ゲームから広まった「SAN値」はネットスラングとしても用いられています。次の項目で使い方を見ていましょう。

「SAN値」の使い方

SAN値は数値なので増減で表します。SNSなどでの用法は、例えば、次のようになります。ドラマなどで凄惨なシーンに心穏やかでいられないときにはSAN値が減少する、減ったSAN値を愛猫を撫でて回復するといった具合です。

  • 「殺害シーンがエグくて、SAN値が下がりそう」
  • 「展開が急にシリアスになってSAN値が削られていく」
  • 「ホラーゲームで減ったSAN値を恋愛ゲームで回復しないと」

また、ショックの度合いが非常に強い場合は、「この動画はSAN値直葬レベルだ」と、「産地直送」にかけた表現を使います。

「SAN値」の語源

「TRPG(テーブルトーク・ロールプレイングゲーム)」はコンピュータを使用せず、人間同士の対話によって行うRPGです。

クトゥルフ神話(アメリカの小説に登場する架空の神話)を題材にしたTRPG『クトゥルフの呼び声』で、「SAN値」はキャラクターの「正気度」を表す数値として用いられてます。「SAN値」はゼロになるとゲームオーバーとなってしまう重要な数値です。

「SAN値」が広まった理由

「SAN値」という言葉が普及したきっかけは、クトゥルフ神話を題材にしたアニメ『這いよれ!ニャル子さん』シリーズです。

キャラクターのセリフやオープニング曲『恋は渾沌の隷也』の歌詞などにSAN値が使用されたことで、この作品のファンを中心にネットスラングとして用いられるようになりました。

「SAN値」の関連語

「SAN値」と同じように、精神的な健全さについて表す言葉で、ある作品のファンを中心に、ネットや一般的な言葉として広まっていったものには次のような言葉があります。

「ダークサイドに堕ちる」

「ダークサイドに堕ちる」は映画『スター・ウォーズ』ファンの方にはおなじみのフレーズですね。欲望や怒りなどの負の感情によって正常な精神を保てなくなった状態を指す言葉です。

主人公ルークの宿敵、ダース・ベイダーの正体は、ルークの父であるアナキンでした。正義の守護者「ジェダイ」の一員であったアナキンが悪の道に走ってジェダイの敵となる流れは、「暗黒面(ダークサイド)に堕ちた」と表現されました。

この言葉は日常会話でも使うことがあります。例えば、嫌なことがあって周囲に当たり散らしているような人に対して、「ダークサイドに堕ちてるね」と言えば、大げさで冗談っぽい表現になるのです。

「ソウルジェムが濁る」

アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』で、魔法少女に変身するためのアイテムが「ソウルジェム」です。これは、魔法少女の魔力の源であると同時に、持ち主の命を左右するものでもあります。

「ソウルジェム」は魔法を使ったり、怒りや絶望といった負の感情を抱くと濁ります。よって、「ソウルジェムが濁る」は、精神が荒んでいくことを指すのです。

例えば、アニメの実況ツイートなどでは、キャラクターがショックな出来事などによってネガティブな精神状態になっているシーンで、「〇〇(キャラクター名)のソウルジェムが濁っていく…」というように使用されます。

3.そのほかのSAN

「South African Navy」の略称

「SAN」は「South African Navy(南アフリカ海軍)」の略です。SANは南アフリカ国防軍が保有する軍の一つで、イギリスの「ミリタリー・バランス2018」によると、約7500人の兵力を有しています。

主な任務は、広大で豊富な資源を有する南アフリカ共和国の沿岸部と経済水域の警備です。さらに、「海軍増強近代化11カ年計画」が発表され、外洋海軍として世界各国の海域で作戦が展開できるようになることを目指しています。

「Styrene AcryloNitrile」の略称

化学においては、「SAN(SANプラスチック)」は「Styrene AcryloNitrile(スチレンアクリロニトリル)」の略です。プラスチックの一種で、日本では別名「AS樹脂」。同じプラスチックであるポリスチレン(スチロール樹脂)を改良してできたものです。

ポリスチレンと比べて熱や薬品や衝撃に強くい、傷がつきにくい、透明感が高い、リサイクルしやすいといった利点があります。このため、ライターや扇風機の羽などをはじめとした日用品やおもちゃなどの素材として重宝されてます。

「sinoatrial node」の略称

医学分野などで用いられる「SAN」は「sinoatrial node(サイノエイトリアルノード)」の略です。これは、心臓の組織のひとつで、「洞房結節(どうぼうけっせつ)」、「キース・フラック結節」とも呼ばれます。

右心房の近くにあり、ペースメーカーの役割を担っています。より具体的に言えば、心臓を拍動させたり、心筋を収縮させて血液を全身に送り出したりするのに必要な電気信号を出す機能です。

洞房結節が正常に機能しなくなると、「徐脈」と呼ばれる脈が遅くなる病気(不整脈)になってしまいます。このときの治療に使われるのが、人工の心臓ペースメーカーです。

IATAによるサンディエゴの都市コードおよび空港コード

世界各国の都市や空港には3文字のコード(3レターコード)が割り当てられており、世界の標準とされています。サンディエゴには、都市コード及び空港コードとして、「SAN」というコードが割り当てられています。

このコードを割り当てているのは、航空運輸業の業界団体「IATA(イアタ:国際航空運送協会)」。本部はスイスのジュネーブとカナダのモントリオールにあり、おもな業務は航空運賃や発券などのルールを作ることです。

ちなみに、東京の場合、都市コードは「TYO」、空港コードは、羽田が「HND」、成田が「NRT」となっています。

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