「ご勘弁ください」とは?意味や使い方をご紹介

気軽に「勘弁して」と応答することはあっても、「ご勘弁ください」というフレーズで使ったことはないという方もいるかもしれませんね。「ご勘弁ください」の意味や使い方を紹介します。合わせて話し言葉や書き言葉で使える類似表現も記載します。

目次

  1. 「ご勘弁ください」とは?
  2. 「ご勘弁ください」の意味と使い方
  3. 類似の表現

「ご勘弁ください」とは?

ご勘弁ください」(読み:ごかんべんください)は、「ご~ください」で相手に要望したり、懇願したりすることを丁寧に伝える尊敬表現の1つです。「勘弁」という熟語は、過失や落ち度など行き届かない所があった場合に我慢をして寛大に許すことを言います。

「ご勘弁ください」と言うと、自分がした不始末について相手方にお許しいただけるようお願いいたしますという意味合いにも取れますね。少し堅い謝罪の仕方のようにも感じられるでしょう。次の項目で詳しく説明します。

「ご勘弁ください」の意味と使い方

「ご勘弁ください」はもともと謝罪の言葉です。しかし、申し訳ないと謝罪の言葉を付けて婉曲にお断りをする用い方が多いようです。

丁寧に謝罪する

「ご勘弁ください」は、重大な過失や落ち度で相手に大変な迷惑をおかけした場合に謝る際に使われます。「許してもらえるようにお願いする」という懇願するニュアンスが強く入り、お詫びとしては非常に重い語句です。

謝罪の意味で使うと古めかしく格式張った大げさな感じがするでしょう。現在ビジネスの場では、あまり使われなくなってきています。

【使用例】

  • 整備不良があり、大変なご迷惑をおかけしました。どうぞご勘弁ください
  • ご案内に不手際があり申し訳ございませんでした。ご勘弁くださいませ。
  • 他の品物と交換いたしますのでご勘弁ください

遠回しにお断りする

ビジネスの場では、お客様にはっきりとした強い物言いで断ると不快な思いをさせたり、怒らせたりする恐れがあります。「ご勘弁ください」は謝罪で使うよりも、当たりを柔らかくしてから、遠回しに断って了承を求める使い方が多い表現です。

店舗や施設などで、注意書き接客時の対応で使われることもあります。「こちらの案内が十分に行き届かずにご迷惑をおかけしますが、お断りいたしますので悪しからずご了承ください」というニュアンスが感じられるでしょう。

ただ、そのまま「ご勘弁ください」というだけでは、お客様にこちらの気持ちを無視して一方的に断るのかと気分を害される恐れがあります。

明らかに不満に思っている方と直接話す場合は「恐れ入りますが」・「失礼ではございますが」・「申し訳ございませんが」と、相手に対して恐縮するニュアンスが入った言葉とセットにして使った方がいい場合もあるでしょう。

【使用例】

  • レジでの両替のお申し付けはご勘弁ください
  • 恐れ入りますが、未就学児のご入場はご勘弁ください
  • 履物を履いたままでの入室はご勘弁ください

類似の表現

ご容赦ください

「ご容赦ください」も謝罪やお断りする時に使えるフレーズです。「礼儀知らずで不快な思いをさせたことをお許しください」・「色々と失敗がありましたが、どうか大目に見てください」というニュアンスが含まれます。「ご勘弁ください」の方が重い表現です。

「容赦」は他人の無礼や失敗を咎めないという意味を表します。現在では「ご勘弁ください」よりも「ご容赦ください」の方が使われる機会が多いです。ビジネス文書や目上の方に出すお手紙、話し言葉でも用いられます。

【使用例】

  • 〇〇の急病により公演は中止となりました。後日改めて振替公演のご案内をいたしますのでご容赦ください
  • 会場では混雑が予想されます。車でのご来場はご容赦ください
  • 酒席での失礼の段、どうかご容赦くださいませ。

ご寛恕ください

「ご寛恕ください」も「ご勘弁ください」と同様の意味合いで使えます。「寛恕」は、寛大な心で相手の失敗を許すという意味です。「貴方様の広いお心でこちらの不始末をお許しください」という非常に重厚なニュアンスを表します。

手紙やビジネス文書などの書き言葉で、目上で多大な迷惑をかけた相手に使う語句です。話し言葉ではあまり使われないでしょう。

【使用例】

  • 納品遅れにより貴社に多大なご迷惑をおかけしました。大変申し訳なくご寛恕くだされば幸いです。
  • すでにお手配を済ませておりますので、メール便への変更は難しい状態です。申し訳ございませんが、ご寛恕くださいませ。


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