「墨客」とは?意味や使い方をご紹介

「墨客」は、「ぼっかく」と読み、「書画を嗜む風流人」を意味します。「客」という漢字が入っているにもかかわらず、「墨客」に「訪問者」という意味が含まれていないのはなぜでしょう。この記事では、「墨客」の意味の成り立ちと「墨客」の一般的な用法について紹介します。

目次

  1. 「墨客」とは?
  2. 「墨客」を含む四字熟語
  3. 「墨客」以外の「〇客」

「墨客」とは?

「墨客」の意味

「墨客(ぼっかく)」は書画を嗜む風流人という意味です。「墨客」を「ぼっきゃく」と読むことも慣用で認められていますが、本来は「ぼっかく」と読みます。

「墨客」の成り立ち

「墨客」の意味は、「墨」という漢字の意味と「客(かく)」という漢字の意味に由来しています。「墨」は、「墨で書いたもの。書画」の意味です。

「客」を「きゃく」と読む場合、「訪ねてくる人」や「買い手側」を意味しますが、一方で「かく」と読む場合の「客」は、「(あることに長じた)人物」を意味します

「墨客」における「客」は「かく」と読みますから、「墨客」は「書画に長じた人物」、即ち、「書画を嗜む風流人」という意味になります。

「墨客」を含む四字熟語

「文人墨客」

「墨客」という言葉が単独で用いられることはあまり多くありません。「文人墨客」という四字熟語の形で使われることがほとんどです。「文人」、「文人墨客」は以下のような意味を持っています。

  • 文人:文芸に携わる人
  • 文人墨客:文人と墨客。詩や文学、書画など風流の道に携わる人

「文人墨客」という四文字熟語は、例えば、以下のように使われます。
  • 島崎藤村、与謝野夫妻などの文人墨客に愛された宿
  • 大店の旦那ともなると、俳諧や書画を嗜み、文人墨客と交流があった者もいた。

「騒人墨客」

「文人」の代わりに「騒人」を使った「騒人墨客」という四文字熟語も「文人墨客」と同様の意味で使われます。「騒人」という語は、楚の詩人屈原の「離騒」に学んだ一派の呼び名に由来しています。

  • 騒人:詩人、文人
  • 騒人墨客:詩歌や書画などの風流を嗜む人

「騒人墨客」という四文字熟語は、例えば、以下のように使われます。
  • 将軍直筆の絵画が発見されたという噂は、当地の騒人墨客の間に瞬く間に広まった。

「墨客」以外の「〇客」

「墨客」の「客」はお客さんではなく、「(あることに長じた)人物」を意味することは上で紹介した通りです。「客」がこのような意味で使われている単語は、実は珍しくありません。

例えば、以下のような単語では、「客」が「墨客」と同じように「(あることに長じた)人物」という意味で使われています。

  • 刺客(しかく):暗殺者
  • 侠客(きょうかく):侠気のある人
  • 剣客(けんかく):剣術、剣道の達人
  • 論客(ろんかく、ろんきゃく):議論をよくする人

これらの単語は、皆さんも一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。


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