「疲弊」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは、心身ともに疲れきっている状態を表す「疲弊」という言葉をご存知でしょうか。硬い表現のため、日常生活ではあまり使われませんが、新聞や経済のコラムなどではよく使われます。こちらでは、「疲弊」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「疲弊」とは?
  2. 「疲弊」:意味
  3. 「疲弊」と「疲労」の違い
  4. 「疲弊」:類語

「疲弊」とは?

「残業続きで、心身ともに疲弊(ひへい)している」…働きすぎて、疲れきっている状態をこのように言い表すことがあります。

「働きすぎる日本人」は、国際的にも問題視されており、働きすぎによる死を意味する「過労死」という言葉は「KAROSHI」として、世界共通用語になっています。

働くことへの固定観念

働き方改革が推進される現在でも、残業をしたり、休日出勤して働く人が仕事熱心であるという固定観念が、なかなか抜けずにいます。定時で帰ろうとする若者に対して、いいイメージを持っていない人も多いようです。

働きすぎて、心を失っていく人々…。まさに「疲弊」という言葉は、この現代を象徴しているように思われますね。

「疲弊」:意味

「疲弊」の「疲」も「弊」も同じ「疲れる」という意味を持つ二字熟語です。大きく分けて、二つの意味があります。

  • 疲れて弱ること
  • 経済的に弱ること

疲れて弱ること

一つ目の意味は「疲れて弱ること」です。仕事やストレスなどによる蓄積された疲労によって、弱り果ててしまうことを表しています。

物でいえば「消耗」や「摩耗」のように、すり減ってしまうようなイメージです。疲れすぎて何もしたくない、何も考えられないような状態のことを表しています。

【例文】

  • この会社の社員は、みな疲弊しきっている。
  • 今年の年末は忙しすぎて、毎日残業続きで疲弊している。
  • 心身の過度の疲弊は進行すると、危険な状態になりかねません。

経済的に弱ること

二つ目の意味は「経済的に弱ること」です。具体的にいうと「経済状態が悪化し、勢いや活動が鈍くなること」を表します。「経済的に困窮している状態」とも言い表すことができます。

ニュースや新聞などの経済用語としても、よく出てくる語です。ビジネスパーソンであれば、ぜひ知っておきたい用語です。

【例文】

  • 疲弊しきった経済を立て直すには、問題点が山積みである。
  • この資料からも国力が疲弊していることが見て取れる。
  • 夫が仕事を変えてから、家計は疲弊しきっている。

「疲弊」と「疲労」の違い

「疲労」は「疲れる、くたびれること」という意味を持つ言葉です。 長く体などを使ったために、体力が衰える状態を指しており、基本的には休養を取ることで軽減されます。

走って疲れた、重いものを持って腕が痛いなどの肉体的な疲れのことを「疲労」と呼ぶ一方で、精神的なものを含む場合には「疲弊」という言葉を使うことが多いです。

一般的には、「疲労」がたまり、心身ともに弱った状態が「疲弊」というイメージです。

「疲弊」:類語

疲労困憊

「困憊」は「ひどく疲れている」「疲れきって立てない」という意味があります。「疲労困憊」で「疲れて弱ること」という意味で、「疲弊」とほとんど同じ意味として使われます。

二つの言葉を比較すると、どちらかと言えば「疲弊」の方が精神的な疲れを含んだ表現となっています。

憔悴

「憔悴(しょうすい)」は、病気や心痛のために、痩せ衰えてしまうことを表します。弱っているという意味では同じですが、「疲弊」よりも精神的なダメージが強い場合に使われます。

くたくた・へとへと

疲弊は少し硬めの表現であるため、日常会話ではあまり使われません。もう少しラフな表現としては「くたくた」や「へとへと」などが挙げられます。

両者とも疲れていることを表す言葉ですが、「へとへと」の方が限界を超えているニュアンスがあり、疲弊に近い表現であるといえそうです。


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