「子々孫々」とは?
「子々孫々」とは、「子孫」という言葉を強めた表現で、読み方は<ししそんそん>です。「子子孫孫」と書かれることもあります。
「子や孫の代まで末永く」「末代や後世までずっと」という意味を持つ言葉で、自分の子孫達の繁栄を願う想いを込めて使われる表現です。
「子々孫々」という言葉の出典としては、古代中国の「四書五経(ししょごきょう)」の一つである「書経」という書物が挙げられます。
「子孫」
「子々孫々」の元となる「子孫」は、単に「子と孫」を表すこともありますが、通常はもっと広い意味で「のちの世代の人々」のことを指す言葉です。後衛(こうえい)という言葉で言い換えることもできます。
自分が知っている範囲での「子や孫の代まで」という意味から、もっと広く「末代や後世まで」という範囲までを指すことができる表現です。
「子々孫々」はこれを強めた形になりますので、「子孫」の意味に、「永遠にずっと」「いつまでも」のようなニュアンスが加わるとイメージすれば良いでしょう。「子や孫の代まで末永く」「末代や後世までずっと」のような意味として使われます。
「子孫」の続柄
「子孫」とは「子・孫・曽孫と血筋をひいて生まれる人々」のことを指してします。家系図では縦(親子関係)横(兄弟関係)にひろがった関係が示されますが、子孫とは「縦」の直系のみを表します。
自分の子孫とは自分の子供、その子供の子供、その子供の子供の子供…のことを表し、兄弟や、その子供などはいくら血筋が近くても、子孫とはいいません。
【子孫の続柄】
- 本人(初代として)
- 子(こ):本人の子が2代目
- 孫(まご)
- 曾孫(ひまご)
- 玄孫(やしゃご・げんそん)
- 来孫(きしゃご・らいそん)
- 昆孫(こんそん)
- 仍孫(じょうそん)
- 雲孫(うんそん・くものまご)
という形で、ずっと続いていきます。9代目の雲孫あたりから見れば、初代はもはや「ご先祖様」の領域ですね。
「子々孫々」:使い方
- 祖父の思いは、子々孫々まで語り継がれるであろう。
- この酒蔵は、子々孫々ついでいって欲しいと願っている。
- どうか子々孫々に至るまで忘れないで欲しい。
「子々孫々」:関連語
子孫繁栄
「子孫繁栄」とは「子孫が生まれ続け、子孫代々続いていくこと」です。「繁栄」といっても、成功する、名前をあげるといった意味ではなく、「存続」という意味です。
先祖代々
「先祖代々」とは「先祖からずっと受け継がれること」です。「子々孫々」は「今から後世までずっと」を表すのに対し、「先祖代々」は「昔から今までずっと」という意味です。
末裔
「末裔(まつえい・ばつえい)」とは、かなり昔のある人物・一族から代々続く血筋を持つ人のことです。似た言葉に「後裔(こうえい)」という言葉があります。
基本的には「織田信長の末裔です。」など永く続く血筋の末を表すことが多く、子や孫など通じやすい名称がある場合は「○○の孫です」と言います。また、「末裔」「後裔」はともに、現在も繁栄している家の末という意味では使われません。
特に、「末裔」は「現在は廃れてしまった血筋」の末、というニュアンスが強くなります。『三国志』の劉備が「漢王室の末裔」を名乗ったのが有名な例ですね。そのため、「皇室の末裔」などは適切な表現とは言えないでしょう。
そのほかの「ししそんそん 」
「獅子歌歌」
「子々孫々」と同じ「ししそんそん」という読み方を持つ言葉としては、「獅子歌歌」というものがあります。これは、大人気コミック・アニメの『ワンピース』のキャラクター、剣士ゾロの技の一つです。
刀一本で行う居合で、全ての呼吸を知る事で、高威力の斬撃を繰り出す技です。「アラバスタ編」で全身鉄のMr.1(ダズ・ボーネス)と戦った際に、初めて使われました。