「たまに」とは?
「たまに」とは「稀(まれ)に」「思い出したように」という意味を持つ言葉です。頻度を表す言葉のひとつで、「数がきわめて少ない」「めったになく、非常に珍しい」ことを表します。
比較的カジュアルな、話し言葉向けの表現のため、ビジネスシーンなどではあまり使われません。「たまに」の類語には「滅多にないことですが」「稀に」「時折」「時として」「折々に」「折に触れて」などの言葉があります。置き換えて使うと良いでしょう。
「たまに」:漢字
「たまに」は漢字で表記すると「偶に」となりますが、ひらがなで表記されるのが一般的です。
「偶」という漢字は「人型」「2で割り切れる数」などの意味もありますが、「稀な、滅多にない」という意味もあります。
「偶然(因果関係もなく、予測してないことが起きること)」「偶発(偶然に発生すること・思いがけないことが起きる)」などは「偶(たま)に」と同じ意味合いで使われています。
「たまに」:使い方
たまに思い出す
「たまに思い出す」とは、久しぶりに頭に思い浮かべることをいいます。例えば、「あの店のカツカレー、たまに思い出して食べたくなるんだよな。」など、ふいに思い出す時に使われます。
人に対しても使われ、「あの人のことをたまに思い出す。」といえば、昔の恋人や恩師など、もう会うこともない人や、会う頻度が少ないような懐かしい人物を思い出すことを表します。
たまにする
「たまにする」とは、頻度は少ないが、思い出した時に行うような行動を表します。例えば、「納豆はあまり好きではありませんが、健康の為に、たまに食べます。」といえば、納豆はあまり食べないが、月に1~2回のように、「たまに」食べることを表します。
「普段は商店街で買い物をしますが、たまにデパートに買い物に行きます。」といえば、ほとんどを商店街での買い物で済ませているが、稀にデパートでの買い物を楽しむといったニュアンスです。
「たまに」:文法
「たまに」は「たま」に「に」がついた形です。「たまの」「たまには」などの形でも使われます。基本的に意味は同じですが、ニュアンスがそれぞれ微妙に違います。
【ニュアンス】
- たまの…滅多にないことを強調する
- たまには…時折あることを強調する、あるいは時折した方がよいことを表す
【使い方】
- たまの休みくらいゆっくりさせてくれないか。
- たまの機会だ。しっかりと学んでくると良い。
- 確かに外食は多いが、たまには家で自炊もしているよ。
- いくら忙しくても、たまには連絡してくれてもいいんじゃないの。
「たまに」「たまたま」:違い
「たまに」が何かの行動に対しての頻度を表す言葉であるのに対して、「たまたま」は思いがけず起きた出来事に対しての状況を説明する言葉です。
「たまたま」とは、何らかの目的・意図もなく、思いがけなくそのような事態・状況に出くわすことを表しています。偶然と同じような意味です。
「たまに」は頻度は低いものの繰り返し起こりますが、「たまたま」は一度限りのこともあります。
「たまに」:類語
「たまに」と同様、頻度を表す言葉はいくつか存在します。ニュアンスに関しては、使う側や聞く側にとっても、若干の個人差があります。
- 稀(まれ)に:実現・存在することが非常に少ないさま
- 時々:ある時間を置いて、繰り返されるさま。
- 時折:時々と同じ。
- ときたま:時々と同じ。
- しばしば:時々よりは頻度が高いさま。
- よく:ある程度頻度が高く、繰り返されるさま。
- ちょくちょく:よくと同じ。
- たびたび:よくと同じ。
- しょっちゅう:いつものように、かなり頻度が高いさま。