「ちゃんと」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「ちゃんとしなさい」と母親に怒られたことはないでしょうか?類語の「きちんと」と同じような意味を持ちますが、「ちゃんと」とは話し言葉でよく使われる言葉です。実は「ちゃんと」には分類すると色々な意味があります。「ちゃんと」の意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「ちゃんと」とは?
  2. 「ちゃんと」の語義別の意味・使い方
  3. 「ちゃんと」の語源
  4. 「ちゃんと」の類語

「ちゃんと」とは?

「ちゃんと」とは「完全できちんとしているさま」という意味を持つ言葉です。「きちんと」「整然と」「確かに」のように、するべきことをきちんと行ったり、基準に基づいて整っていたりする状態を表します。

「ちゃんと」の語義別の意味・使い方

  1. 真面目なさま。立派なさま。
  2. 秩序正しく。間違いなく。規則どおり。
  3. 十分であるさま。
  4.  危なげなく堅固なさま。しっかりと。
  5.  すばやく。さっと。ちゃっと。(古)

1:真面目なさま・立派なさま

「ちゃんと」には「真面目(まじめ)なさま」「立派(りっぱ)なさま」という意味があります。「真面目」とは「真剣である」「誠実である」ということを表し、「立派」とは「非常に素晴らしい」「堂々としている」ということを表しています。
【使い方】

  • 今までは自分に甘かったので、ちゃんとした人になりたい。
  • 息子はたまにバイトに行く以外は、家でゴロゴロしてばかりいる。そろそろちゃんとした仕事について欲しい。

2:秩序正しく・間違いなく・規則どおり

「ちゃんと」には「秩序正しく」「間違いなく」「規則どおり」などの意味があります。「抜かりなく」「まさしく」とも表せます。物事を正しく進めたり、法則や規則に基づいて行ったり、失敗や油断のないようにしたりということを表しています。
【使い方】
  • 文章を書くのは苦手だが、このくらいの文章はちゃんと書ける。
  • 漢字を覚えるときは、ちゃんとした書き順で覚えましょう。

3:十分であるさま

「ちゃんと」には「十分であるさま」などの意味があります。結果などにおいて、不足がないさまや、満足しているさまを表しています。
【使い方】

  • 顔色悪いみたいだけど、朝食はちゃんと食べたの?
  • クライアントに無理難題をふっかけられたが、納期までにちゃんと間に合わせた。

4:危なげなく堅固なさま・しっかりと

「ちゃんと」には「危なげなく、堅固(けんご)なさま」「しっかりと」などの意味があります。「堅固」は意志が強く、簡単に相手に従ったり動かされたりしないさまを表し、意思を持ってしっかりと行動するということを示す言葉です。
【使い方】

  • 壁に寄りかからずに背筋を伸ばして、ちゃんと立ちなさい。
  • 返事の声は小さいが、言われたことはちゃんと聞いているようだ。

5:すばやく・さっと・ちゃっと(古)

「ちゃんと」には、古語として「すばやく動作するさま、さっと」という意味があります。今は日常生活では使いませんが、方言の元となって使われているようです。
【使い方】

  • 「ちやんとだまんな」<天明二年・御存商売物>
  • 「凭(もた)れ給へばちゃんと退き」<浄瑠璃・傾城無間鐘>

「ちゃんと」の語源

「ちゃんと」の語源は諸説ありますが、そのうちの一つが、漢字の「丁」(ちょう)であるというものです。

「丁」は刀などで打ち合う音を表したもので、いわゆる擬音です。この「丁」を使って、古い言葉ではものが強くぶつかり合うさまを「丁と」と表していました。

それが、がちゃんとしっかり合わさるという意味合いから、しっかりとする、整然とするという意味に派生し、「ちゃんと」の由来になったと言われています。

「ちゃんと」の類語

きちんと

「きちんと」は「整っているさま」「正確なさま」を意味する言葉で、「ちゃんと」に似た意味を持っています。意味上は同じように使われますが、実際には微妙にニュアンスが違います。

「ちゃんとした人」と「きちんとした人」では、同じ意味にもとれますが、実際には微妙な違いを感じるのではないでしょうか。

「ちゃんと」は「きちんと」に比べて、法則や規則的に正しくという意味よりは、道徳的に正しくという意味が強いようです。

わかりやすい例でいうと「ちゃんと並んで」という場合、ふざけてないで並んでという意味が強いですが、「きちんと並んで」の場合は、一列にまっすぐ並ぶような意味合いが強いです。


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