「トロール行為」とは?
「トロール行為」(trolling)とは、「迷惑行為」を意味するネットスラングです。主にオンラインゲームやSNSなど、多くのユーザーが利用するネットコンテンツにおいて使用されています。
また、特定個人に迷惑をかけるというよりは、「大多数に迷惑をかける(かけかねない)」行為というニュアンスで用いられます。
「荒らし」や「釣り」などのネットスラングとほぼ同義語であり、「トロールする」などのようにサ変動詞をつけた活用も多く見かけます。
「トロール行為」の使い方
「トロール行為」という言葉は、ゲームやSNS上で被害を受けたプレイヤーやユーザーが、その迷惑行為を指摘・非難する際に使います。
迷惑行為にもいろいろありますが、被害の程度に関わらず、迷惑と感じられる行為全般について用いることができます。
一方、迷惑をかける側が「私はトロール行為をした(している)」と言明するようなことは基本的にはありません。
故意であったにせよ不可抗力であったにせよ、その行為がトロール行為であると指摘するのは、迷惑をかけられた側だからです。
「トロール行為」の使い方:日本語
- あのプレイヤーはさっきから味方を妨害してばかりいる。初心者かと思ったが、もしかするとこれはトロール行為かもしれない。
- ふざけて遊ぶのはよいが、度が過ぎれば立派なトロール行為だ。
- 自分としては真剣な意見を書き込んだつもりだったが、掲示板のユーザーからトロール行為はやめろと言われてしまった。
「トロール行為」の使い方:英語
- Stop being such a troll.(トロール行為はやめてください)
- Don't feed the trolls.(トロール行為に構うな)
- Why were you trolling?(なぜあなたはトロール行為をしたのですか?)
「トロール行為」の由来
英単語「トロール」(troll)には、以下のような意味があります。
- 輪唱する、陽気に歌う
- 流し釣りをする、まわす、ぶらつく、巡回する
このうち、ネットスラングとしての「トロール行為」は、2の意味「流し釣りをする」や「ぶらつく」から生じたようです。
「トロール行為」と「流し釣り」
「流し釣り」とは、渓流などで疑似餌を川の流れに任せて漂わせ、魚が食いつくのを待つ釣り方のことです。この渓流を、ネット上のコミュニティやゲームなどの場に置き換えて考えてみましょう。
「トロール行為」を行う人は、ネット上で誰かが食いつけばよいとばかりに、大げさな嘘や不真面目な行動を「餌」のように無差別にばらまきます。
これによって一般ユーザーを挑発し、怒りなどの感情を「釣り」上げようとしているわけです。
「トロール行為」と「ぶらつく」
また、そのような行為に適した場所を探し、「(不純な動機で)ぶらつくこと」もトロールと呼ぶことができます。
「不純な動機でそこらをぶらついては、無差別に人の感情を釣ろうとする」行為が、トロールという言葉の核たるイメージと捉えましょう。
架空の生物「トロール」との関連
「トロール」と聞くと、ファンタジーを扱ったゲームや映画などに登場する架空の生物を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。人気ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズや、映画『ハリー・ポッター』シリーズにもトロールは登場しています。
生物・種族としてのトロールは、北欧神話に登場する「トロール(トロル)鬼」(troll)を起源とし、多くは森や洞窟に住む邪悪でのろまな巨人(小人であることもある)とされます。
北欧のスウェーデンなどでは、「悪さをする厄介者」を、この生物になぞらえて「トロール」と呼ぶことがあり、迷惑行為を意味するスラングとしてのトロールも、この言葉に由来するという説があります。
「トロールフェイス」とは
ネット上の掲示板やSNSなどで、以下のような画像を見たことがあるでしょうか。これは「トロールフェイス」といい、トロール行為をした人が、他人をだましたり、からかったりしたあとにする得意げな顔を模したものとされます。
トロールフェイスは主に海外のネット掲示板などで、煽りなどの意図でよく使用されています。日本ではあまり見かけませんが、今後も普及しないことを願いたいものですね。