「見張る」とは?意味や使い方をご紹介

「見張る」は、目を見開いて見る、監視する、という異なる二つの意味をもつ言葉です。とはいえ、どちらも、意識して何かを見つめる、という部分は共通しています。目は心の窓、とも言われます。その目を見開くのにはどのような意味があるのかを、類語を交えてご紹介します。

目次

  1. 「見張る」とは?
  2. 「目を見張る」と「目を見張るものがある」の違い
  3. 「見張る」の類語と使い方
  4. 「見張る」の英語表現

「見張る」とは?

「見張る」は、異なる二つの意味をもつ言葉です。

  1. 大きく目を見開き、見つめること
  2. 目を配り、監視すること

いずれの意味でも、「瞠る」と書く場合があります。

二つの項目に分けて、それぞれの意味と使い方をご紹介いたしましょう。

目を見開く「見張る」と使い方

目を見開く場合の「見張る」は、たいていの場合、「目を見張る」というかたちで用いられます。

一般的には、何かに感動したり、感心したりする場合に使われることが多いのですが、実は、ネガティブな気持ち(批判や呆れる感情、稀には怒りの感情)によって「目を見張る」という使い方も、誤りではありません。

いずれにしても、その背景には驚きがあり、それゆえに目を大きく見開く、という状態になるのです。

【感動を背景とする場合の「見張る」の文例】

  • 親友の子供の留美に久しぶりに会った由美子は、彼女の成長ぶりに目を見張った。
  • 水平線から輝き出るような初日の出の美しさに、その場の誰もが目を見張った。

【呆れ、批判的な感情からの「目を見張る」の文例】
  • 淳一の家を家庭訪問した鈴木先生は、通された部屋の散らかりっぷりに目を見張った。
  • 息子の背中にグロテスクなタトゥーを見つけた母親は、目を見張り、凍り付いた。

監視の「見張る」と使い方

注意深く監視する、目を配り警戒する、という意味の「見張る」には、「目を」が前に置かれることはありません。

【文例】

  • 新人刑事の正夫は、窃盗犯の根城だと疑われるアパートの前で、人の出入りを見張る役を命じられた。
  • 隠れた苛めの横行を防ぐためには、子供たちをさりげなく見張るのも教師の務めだ。

「目を見張る」と「目を見張るものがある」の違い

最初の項目でご紹介したように、「目を見張る」には、感心・感動を背景とするものと、呆れなどのネガティブな背景の両面がありました。

よく似た言い回しに「目を見張るものがある」というものがありますが、こちらは、ポジティブな背景でのみ用いられることに注意いたしましょう。称賛、感動、感心などを表現するのに便利な用い方ですので、文例を挙げてみます。

  • 入社三年目の山田君の群を抜いた営業成績には、目を見張るものがある。
  • 一流モデルとなった美里のオーラには、弟でさえ目を見張るものがあった。

「見張る」の類語と使い方

①「目を見張る」の類語

瞠目(どうもく)する:驚き感心し、目を見張ること。(文例:大きなカンバスいっぱいに鮮やかな色で描かれた絵は、瞠目に値する傑作だった)

見開く:目を大きく開いて見ること。(文例:友人二人が罵り合う光景に、一郎は目を見開き後ずさった)

凝視する:目を凝らしてじっと見つめること。(文例:雄二は、思わぬところで再会した恭子のかわりはてた容姿を凝視した)

②「見張る」の類語

監視する:(悪事が起こらないように)見張ること。(文例:二人の刑事が、取調室から容疑者が逃走しないように、マジックミラーの向こうから容疑者の動向を監視していた)

警戒する:万一に備え注意し用心すること。(文例:党首の演説に野次が飛ばないように、党員たちは聴衆の様子を警戒していた)

「見張る」の英語表現

「見張る」に相当する英語表現は多数ありますが、ここでは、「目を見張る」「見張る」それぞれの代表的な英語文例を挙げてみます。

eye-opening:目を見張るような(文例:Please tell me your eye-opening experience last night. 訳:昨夜の、君の目を見張るような経験を話しておくれよ)

monitor:監視する(文例:The doctor monitors his patient's condition carefully everyday. 訳:その医者は、自分の患者の状態を日々注意深く監視している)
 


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