「ジャッジ」の意味
「ジャッジ」とは、英語の”judge"のカタカナ表記です。すでにカタカナ語として日本に定着しているこの言葉の意味は、大きく分けて下記の二種となります。
- 審判、判定、判断、特定、判決を下すこと
- 判定を下す人(裁判官や競技などの審査員)
「ジャッジ」の使い方
判定としての「ジャッジ」
もっとも頻繁に耳にするのは、競技、スポーツにおける審判員の判定としての「ジャッジ」ではないでしょうか。
マラソンや水泳など、ゴール順が明らかな場合に比べ、ボクシング、体操、フィギュアスケート、サーファー・コンテストなど、さまざまな角度からの判定が必要な競技では、審判員の「ジャッジ」がすべてです。
【例文】
- 昨日のボクシングの試合の審判のジャッジは、あまりにアメリカびいきだったよね。
- フィギュアスケートの感情表現の判定は、それぞれの審査員でジャッジの差が出やすい。
精神的な「ジャッジ」
近来、心理学や自己啓発分野においても、「ジャッジ」という言葉がよく用いられるようになりました。
ここでの「ジャッジ」は、人が人を、あるいは自分が自分を判断して決めつけるというネガティブなイメージで用いられます。
【例文】
- あなたの存在が他者からどのようにジャッジされようと、真のあなたを知るのはあなただけです。傷つくことはなにもないのです。
- A子は、ことあるごとに、自分の力不足だ、自分が不器用だからだ、などと自分を責め続けるけれど、まわりからはそう見えないの。自分で自分をジャッジしてるだけよね。
また、自分のことを自分で決めつけていくことは、セルフジャッジと称されます。これも、ほとんどが心を苦しめる要因として用いられています。
職務としての「ジャッジ」
職務として「ジャッジ」がカタカナ語で使われている競技の代表として、ボクシングとレスリングがあります。双方とも、レフェリーに次ぐ副審を「ジャッジ」と称します。
【例文】
- レスリングの試合で、ジャッジがB選手のポイントを低く表記ミスして大騒ぎとなった。
レスリング・ボクシングにおいて、上記のようにジャッジが競技者のポイントを累計していく用紙のことを、ジャッジペーパーと称します。またレスリングにおけるジャッジランプは、ポイントを知らせるランプ(赤と青)のことです。
英語としての「ジャッジ」
英語の”judge"は、名詞として使われる場合、カタカナ語の「ジャッジ」よりも多義的です。
- 裁判官、司法官、判事
- 審判、判定者、審査員
- 鑑定士
- ユダヤ教の士師(聖書の「士師記」に登場する、イスラエルの英雄)
動詞として用いられる場合は、ほぼカタカナ語の「ジャッジ」と同義ですが、下記の二点が、日本では使われることのない意味となります。
- (他者の道徳的な判断を)非難、批判する
- (聖書に出てくる士師が)統治する
「ジャッジ」の類語
- ジャッジメント
- 品評
- 品定め
- 判断
- 鑑定
- 審判
- 審査
- 価値判断
- 裁断
- 裁決
- 見識
- 見解
映画の「ジャッジ!」
まさに「ジャッジ」がそののままタイトルとなった映画が、2014年に公開された日本映画『ジャッジ!』です。監督は永井聡、キャストは妻夫木聡、北川景子、リリー・フランキー、鈴木京香、豊川悦司など。主役級がずらりと並び、話題を呼びました。
大手広告代理店「現通」(電通のパロディ)の落ちこぼれ若手CMプランナーが、世界一のテレビCMを決める国際広告祭の審査員を上司から押し付けられるコメディー映画。世界から集う審査員たちのドタバタ劇は、ナンセンスなようでいて風刺にあふれ、ヒット映画となりました。
「ジャッジ」のまとめ
競技の世界における「ジャッジ」は、勝ち負けを決めるよすがですから、きわめて正確な判断が要求されます。
昔と異なり、現代ではカメラによって試合のすべてが録画されていますので、審査にクレームがついた場合は、録画を再生することでほぼ公正な結果が出されると言っていいでしょう。
法廷における「ジャッジ」は、スポーツに比べると「ジャッジする者(裁判官など)」の能力や経験値に左右される部分も否定できません。まして、一般人に裁きの一端をゆだねる裁判員制度に賛否両論が絶えないのも、無理ないことかもしれませんね。