「拙い」とは?意味や使い方をご紹介

「拙い」という言葉にどんなイメージをお持ちですか?自分に対して使って欲しくない言葉のうちのひとつかもしれませんね。しかし、最近では意外なメディアで頻繁に登場する表現でもあります。ここでは「拙い」の意味や使い方、成り立ちについて、詳しくご紹介していきます。

目次

  1. 「拙い」の意味
  2. 「拙い」の「拙」という漢字
  3. 「拙い」の由来
  4. 「拙い」の使用例
  5. 「拙い」を英語では「clumsy」
  6. 「拙い」の類義語

「拙い」の意味

「拙い」というと、あまり他人から言われたくない言葉かもしれません。しかし、自分自身に対して使うケースもありますので、詳しく見ていきましょう。

主に三つの意味で使われる言葉です。

1.能力が足りないこと。劣っている状態。
2.運が悪い。
3.技術などが巧み・上手ではない。下手。

いずれも、ネガティブでマイナスのイメージを持つ言葉です。また、漢字の読みは2種類あって「つたない」と、もう一つは「まずい」です。後者だとよりストレートに「よくない」印象を与えます。一般的に多く使われるのは1.の「能力が足りないこと」「劣っている状態」です。

「拙い」の「拙」という漢字

手偏(てへん)に「出」がついて「拙」(セツ)という漢字になります。「出」=でこぼこやちぐはぐな感じを表しています。これに手偏がつき、手の動きがちぐはぐで巧みではない様子を表しています。ですから、漢字の意味からすると、技術的に足りない様子を表現したものと言えます。そこから「つたなし」という形容詞に当てられたようです。

「拙い」の由来

それでは、成り立ちを見ていきましょう。もともと「つたなし」だった言葉の口語体が「つたない」です。「つてを頼る」といった時の「つて」とは、長く先まで言い伝えるという意味があります。この「つて」に否定の「なし」が下につき「つて・なし」から「つた・なし」、「つたない」となりました。ですから本来「伝えるべきこともない」の意から、変化してきた言葉です。

「拙い」の使用例

では、いくつか例をあげて見ていきましょう。

1.まだまだ職人としては拙いですが、どうかご容赦ください
2.拙さが残ってはいるものの、一生懸命さが伝わる絵だ
3.拙い手紙でごめんね

他人に対して使用する場合は、失礼な言い方にならないよう気を付けなくていけませんが、自分自身に対して使うと、へりくだって相手を持ち上げる表現にもなり、気配りのある表現が可能です。


また、「運が悪い」というの意味では「球運拙く敗れ、アルプススタンドはため息に包まれた」というような使い方ができます。こちらの使い方であれば、相手を中傷するようなニュアンスは消えます。ただ、この意味で使われるケースはそれほど多くはなく、どちらかというと古い使い方かもしれません。

「拙い」を英語では「clumsy」

アメリカの伝説的なソウルシンガーであるアレサ・フランクリンさんが亡くなったことに関して、トランプ大統領がTwitter上である発言をし、物議をかもしました。この時、メディアはトランプ大統領の投稿に対し「clumsyな哀悼の言葉」という見出しをつけました。なかなか辛辣ですね。この場合は「能力が足りない」というよりも「技術などが巧み・上手ではない。下手」の意味に近いでしょう。

その他、スポーツ関連メディアの世界でも意外に多く登場する言葉です。作戦や戦術に対して「clumsy」と評価する記事を見かけます。それを受けて、日本のサッカー関係の記事でも「〇〇の拙いパスによって、ピンチを招いた」といったように使われています。これらも「技術などが巧み・上手ではない。下手」の意味ですね。

「拙い」の類義語

劣っている状態を表す言葉となります。例えば、「青臭い」「幼い」「乳臭い」「足りない」「弱い」「御目出度い(おめでたい)」「お寒い」などです。


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