「明」とは?意味や使い方をご紹介

「明」は人の名前にもよく使われる字ですが、実は様々な意味を持つ字です。人の名前に使う場合にも、どの意味をとるかによってイメージが変わってきます。今回は「明」という字の意味や成り立ち、人名漢字としての使い方をご紹介します。

目次

  1. 「明」の辞書的な意味と使い方
  2. 「明」の成り立ち
  3. 「明」のつく名前
  4. 名前に込める意味

「明」の辞書的な意味と使い方

「明」の意味①光に照らされて明るい

「明」はまず、光に照らされて明るいという意味を持ちます。この光は太陽の光のことで、転じて太陽が光っている昼間の時間帯や、太陽が顔を出す夜明けの頃も意味します。

そして、夜が明けるとやってくるのは次の日です。そのため、次や翌日という意味にもなります。

【例】

  • 明るいうち
  • 未明
  • 明日

「明」の意味②闇を照らす

暗い闇であっても光に照らされれば明るくなり、はっきりと目立ちます。このことから、隠し事がばれることにも使われます。

また、闇を無知のたとえとした場合は反対の明は賢いこと、盲目の闇なら反対の明は視力が優れていることを表します。

【例】

  • 明白
  • 明るみに出る
  • 賢明
  • 失明

「明」の意味③神聖なものの象徴

太陽は宗教的にも神聖視されることが多く、日本の天照大御神やエジプトの太陽神ラーなど、例には事欠きません。太陽はこれらの神の象徴という役目もあります。死後の世界が暗い場所とされるため、現実の世界が対比で「明」と表されることもあります。

【例】

  • 光明
  • 幽明

「明」の意味④中国の王朝

「明」は中国の王朝の一つでもあります。チンギスハンの興した元の後にできた王朝です。洪武帝(こうぶてい)が1368年に建国しました。

全盛期には鄭和(ていわ)という人物がアフリカまで到達し、海外まで威信を示しましたが、経済の崩壊や内部の腐敗から衰退し、最後は李自成(りじせい)率いる農民の反乱で1644年に崩壊します。

「明」の成り立ち

「明」という字は「日」と「月」の2つの字が組み合わせられた会意文字です。「日」は太陽、「月」はそのまま月のことです。どちらも明るいので、明るさを表す字になったといわれています。

昔使われていた「朙」という字は窓と月、つまり窓から差し込む月光のことです。夜は暗いけれど、月の光が窓から入れば部屋も明るくなります。「朙」は古字なので現在ではほとんど使われません。

「明」のつく名前

「明」のつく名前は男性の場合ひろあき、やすあき、あきのりなどがあげられます。女性名ならあかり、あすか、あきな、ちあきなどです。

「明」は訓読みが多いようですが、えいめい、めいさなど音読みもあります。一文字名から三文字名まで幅広く一般に浸透しています。

有名人では石田明さんや中森明菜さん、宝田明さん、鳥山明さん、神谷明さんなどがあげられます。

注意点

「明」を名前に使う場合の注意点が一つあります。それは、読み方が難しくなることです。

「明」は人名漢字としては多くの読み方があります。定番どころでも、あき、あかり、あきらなどがあります。男性と女性のどちらにも使われるので、読み方だけは考慮した方が良いかもしれません。

名前に込める意味

明るく前向きな人

「明」といえば明るい子。子供の名前に使う場合には明るく前向きな人に育ってほしいという願いが込められることが多いようです。明るさは自分自身の性格だけでなく、これから歩んでいく未来が明るいものであってほしいということもあります。

周りを照らす優しい人

「明」のイメージは太陽や月でした。太陽や月は確かに明るいのですが、その明るさは人間を照らす光でもあります。

そのため、自分が明るいだけでなく、太陽や月のように周りの人も明るく照らす人になってほしいという場合もあります。周りを明るく照らし、周りから愛される優しい人になれるようにという願いから名前に使われることもあります。

がらあきで空っぽ?

「明」は「あき」とも読みます。そのため「がらあき」につながって、虚無感を連想させるからつけない方が良いという意見もあります。

しかし、「がらあき」は元々「がら空き」と書きます。「明」単独では「空っぽ」という意味はないのでつけても構わないという意見も多くみられます。

また、空っぽなら夢を詰め込める、まっさらな状態で始まる子供にはむしろ適しているという意見もあります。どんな子供になってほしいのか、名づける人の気持ち次第とも言えますね。

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