「気負う」の意味
「気負う」(きお-う)は、物事をしっかりとやり遂げようとして自分を奮い立たせる、相手に負けまいと意気込むことです。もともとの形は古語の「競う」(きお-う)で、意味は「相手に勝とうとして先んじる、争う」ことを表します。
「気負う」の使い方と例文
「気負う」で、人に負けないように成果をあげようと焦っている様子や、競争心が強いさまを表す時に使います。
ただし、張り切るのは良いのですが、それが裏目に出てしまうことも。「気負う」で、自分でやろうとする気持ちが強く、必要以上に頑張りすぎて空回りするさまを描写することもしばしばです。
反対に、勝負や結果に焦らない様子、自分だけが悪目立ちしないように冷静に戦おうとするさまを表現するには、「気負うことなく」「気負わないで」のように「気負う」に打ち消しの助動詞を付ける使い方もあります。
「気負う」の例文
- AくんはBちゃんに良い所を見せようとして、ものすごく気負うところが見て取れる。
- あのバンドのキーボードの演奏はやたらと気負っている感じがする。ボーカルやエレキギターの邪魔になっているよ。
- インタビューを見ると、久々に主演を務める俳優が気負って皆を引っ張ろうとしているのがよく分かる。
- Aチームの主将は殺気立っているようだが、対戦するBチームの主将は気負うことなくとても冷静だ。
- Cくん!チームプレーなんだから、必要以上に気負わないでほしいね。
「気負う」の類語
張り切る
「張り切る」(はりきる)は、物事に挑む時、元気や意欲がみなぎっている様子、意気込んでことに当たる様子を表します。ポジティブな意味での「気負う」に近いですね。逆に、行き過ぎてネガティブな様子を表すには「張り切り過ぎる」という形で使います。
【文例】
- 彼が張り切ってくれたおかげで、海岸の清掃が早く終わった。
- 彼女が張り切り過ぎて参っちゃったよ。あれもこれもと余計な仕事が増えて疲れた。
肩肘張る
「肩肘張る」(かたひじはる)は、意気込んで体に力を込めて自分を奮い立たせることです。「気負う」と似たような意味ですね。
しかし、無理に肩と肘に力を入れて身構えるようにも見えるため、「いばる」「堅苦しい態度」など良くない様子を表現することもあります。使う際には誤解されないよう注意が必要です。
【例文】
- あの武将は、深呼吸をし、肩肘張って敵地に挑んだ。
- 交渉事に肩肘張るような態度で臨み、相手を怖がらせてしまったようだ。