「古い」とは
「古い」は、長い年月を経ている様子を表す形容詞です。「時間が経つ」という意味の動詞「経る(ふる)」が形容詞化した語です。
「古い」の意味と使い方
「経年」を軸として、「古い」は以下のような意味で使い分けられています。
- できてから、もしくは現れてから長い年月が経っていること(例:古い建物、古いかばん)
- ずっと前から続いていること(例:古い友人、古い家柄)
- 遠い昔のこと(例:古い時代、古い話)
- 時代遅れであること(例:古い考え、古い髪型)
「古い」の類語(意味編)
それでは「古い」の類語を、意味ごとに分けて見ていきましょう。
「(長い年月が経っている)古い」の類語
「古い」の類語として、まず「古」という漢字が含まれている表現がいくつかあげられます。
- 古めかしい
- 古くさい
- 古ぼけた
- 古式ゆかしい
- 古色を帯びた
- 古色蒼然(こしょくそうぜん)
「古色蒼然」は「いかにも長い年月を経たような古びた様子」を表し、「古色蒼然とした神社」などと使われます。
また【くたびれた】【ぼろい】【ぼろぼろ】なども「古い」に近い表現としてあげられます。
【くたびれた】は、「このワイシャツも随分くたびれてきたから、買い替えなきゃ」のように、長い使用によって傷んだり型くずれしたりしている様子を表します。
【ぼろぼろ】は「デートの時、ぼろぼろの財布をかばんから出すのは恥ずかしかった」のように、使い古してダメになってしまった様子を表します。いずれの表現もその物の「古い」の程度が進み、あまりよくない状態を表していますね。
「(ずっと前から続いている)古い」の類語
「旧(きゅう)」もまた「年月を経て古くなった」「古くからよく知っている」という意味を持つ漢字です。「旧知」「旧友」「旧交」のように使われます。
「(遠い昔の)古い」の類語
「(遠い昔の)古い」の類語としては【往年】があげられます。【往年】は「過ぎ去ってしまった過去」を意味します。
ただし「昔」といってもあまりにも遠い昔ではなく、人々の記憶のなかに残っている程度の過去について用いられます。「この映画には往年の名女優たちがそろって出演した」などと使われます。
「(時代遅れの)古い」の類語
「(時代遅れの)古い」の類語としては、以下のようなものがあげられます。
- 時代錯誤
- 旧式な
- 前時代的な
- 一昔前の
- 昔風の
- 旧態依然(きゅうたいいぜん)
【旧態依然】は、「昔のままの状態で進歩や発展が少しも見られないこと」を意味します。「旧態依然としたお役所仕事にうんざりした」などと使われます。
「古い」の類語(カタカナ語編)
「古い」の類語には、外国語由来であるカタカナ語もあります。【オールドファッション】【クラシック】【ユーズド】【ビンテージ】【レトロ】などです。
【ビンテージ】
【ビンテージ】は、本来はワインに用いられる表現です。「ビンテージ物のワイン」というと、ワインの原料となるブドウの出来が良かった年につくられたワインを意味します。
現在ではワインに限らず「年代物」の意味として広く使われています。「ビンテージドレス」「ビンテージジーンズ」などと使われ、年月を経て味わい深いものとなったり、年代により希少価値を持つものを指したりします。
【レトロ】
【レトロ】は、昔のことを思い出させ懐かしい感情を抱かせるようなもの、また過ぎ去った時代の物事や雰囲気を好んだりすることを意味します。
「レトロ趣味」「昭和レトロ」などと使われます。単に「年代を経た古い物」かどうかより、「古き良き時代を思い出させる」という点がポイントです。
「古い」の類語(慣用句編)
慣用句の中にも「古い」という意味を表現するものがいくつかありますので、以下にご紹介します。
【苔が生える】
【苔が生える(こけがはえる)】は、「古くなる」という意味です。「そんな苔が生えたような考え方では、いつまでたっても会社の体制は変わらない」などと使います。
【手垢が付く】
【手垢が付く(てあかがつく)】は、「使い古されて新鮮味がない」という意味です。「そんな手垢が付いたようなキャッチコピーでは、商品が売れる気がしない」などと使います。