「ぷに子」とは
「ぷに子」とは‘ぷにぷにした女の子‘の略語です。コロっとした体型をしているだけでなく、赤ちゃんの頬のようなぷにぷにした肌を持つ女性というのが「ぷに子」の本来の意味です。
では「ぷにぷに」とは何でしょうか。実は「ぷにぷに」という言葉は辞書にはありません。柔らかくて弾力や張りがないさまを表す「ふにゃふにゃ」に対して、柔らかくて弾力があるさまを「ぷよぷよ」とすることから、「ぷにぷに」という造語が生まれたと考えられています。
「ぷに子」の使い方
- 夏に向けてぷに子体型を改善中
- ぷに子の笑顔に癒される
- そのマシュマロ肌はまさにぷに子
「ぷに子」の名付け親
女性の体型や体質を表す造語「ぷに子」を初めて誌面で大きく扱ったのは、2013年小学館発行のファッション雑誌『CanCan』です。
標準よりも若干太め体型でモチっとした張り感のある肌の女性を「ぷに子」と名付けました。いわゆる‘ぽっちゃり体型‘のことですが、「ぷに子」では体型よりもむしろ肌の感触を強調している点が特徴的です。
ちなみに、女性の体型を表現する言葉として「ぷに」が使われるようになったのは、もっと前からだとする説もあります。アニメキャラクターの幼児体型を指す隠語としての「ぷに」が、アニメファンの間で広まったのは1980年代とのこと。しかし誰が最初に「ぷに」という表現を用いたのかについては、未だ明らかにされていません。
「ぷに子」の定義
ファッション雑誌で取り上げられたことで一気に市民権を得た「ぷに子」ですが、具体的にはどのような体型、体質の女性を指すのでしょうか。
『CanCan』は当初、「さわるとやわらかそうで、女の子らしい丸みのある体型で、ぷにっとした弾け肌の持ち主」をイメージして「ぷに子」と名付けました。しかし身長・体重・スリーサイズなどの具体性に欠けたため読者に曖昧な印象を与えることとなり、「ぷに子」と呼ばれる境界線はどこなのかなどの論争が一部で起きていたようです。
その後、「ぷに子」の定義は見た目のみによるものではなく、醸し出される雰囲気を含めたものへと変化します。親しみやすさや温厚さを持ち合わせた女性、さらには美味しそうにご飯を食べる女性までもが「ぷに子」のイメージとされ注目を集めました。
年末恒例の『好きな女性アナウンサーランキング』で、日本テレビの水卜麻美アナウンサーが初めて1位を獲得したのも、「ぷに子」の名が世に出た2013年のことです。
「ぷに子」アイドル
2013年6月にはavexと『CanCan』がタッグを組み、『全国ぷに子オーディション』が開催され、選ばれた10名によるアイドルグループ『Chubbiness(チャビネス)』が結成されました。
「Chubbiness」とは‘ぽっちゃり‘という意味であり、メンバーそれぞれに程良いぽっちゃり感(規定体重)の維持が義務付けられていました。
Chubbinessの活動と並行して、『CanCan』誌上では、Chubbinessメンバーの平均値から割り出した「ぷに子」データの特集記事が組まれました。
体型から生活習慣までを一般女性の平均と比較し「ぷに子」を具象化するという画期的な内容で、「朝食は週に6回食べる」や「一日の摂取カロリーは約3,200kcal」など、健康的な「ぷに子」イメージもこの企画によって確立されました。
消えた「ぷに子」
2013年から2015年頃にかけて注目を浴びた「ぷに子」でしたが、現在その名称が使われることはほとんどありません。
ただし、「ぷに子」と同時期にぶんか社発行のファッション雑誌『la farfa』で命名された「マシュマロ女子」は、ぽっちゃり体型女子の代名詞として今なお使われています。
またChubbinessについては、その後も「規定体重を超えたら脱退」という厳しい掟のもと活動を続けていましたが、2019年3月で解散となりました。