「テナント」の意味
「テナント」とは所有者から物件を借りる、借り主のことです。
本来は、所有者から賃貸借契約を結んで不動産を借りる、貸借人のことを意味しましたが、現代ではショッピングセンターなどの商業施設やオフィスビルの一区画を借りる事業主を指します。
また日本では「店子(たなこ)」とも呼ばれます。テナントの物件を所有している貸し主は、オーナーと呼ばれます。
「テナント」と「店舗」の違いとは?
まず「店舗」の意味ですが、『大辞林』では以下のように説明されています。
「商品を並べて販売するための建物。みせ。(『大辞林』三省堂)」
ここでは物を売るための建物、またはみせ(事業主)とだけ記されています。上記のように「テナント」が賃貸借契約により物件を借りた事業主を指す言葉であるの対し、「店舗」とは、建物を貸し物件や所有する物件などと区別せず、商売をする建物や事業主を表す言葉として使用されます。
「テナント」と「店舗」の使用例
「テナント」と「店舗」、それぞれ使い分けた使用例をご紹介します。
【テナント】
- テナント募集中!お気軽にお問い合わせください。
- ターミナル駅付近にテナントが集中する。
【店舗】
- あそこのショップは渋谷に2店舗ある。
- 新しく出店する店舗名を募集します。
「テナント募集」はどんな状態?
空き物件に「テナント募集」の看板がたてられていた場合、それは物件の所有者が借り主を探している状態を指します。
これらの物件の中には、新しく建築した貸しビル内の一区画を募集しているものや、以前契約していたテナントが何らかの理由で閉店・移転し、募集しているものがあります。
後者の場合、それまでのテナントの経緯を知らないと、今後展開していく事業に支障をきたす可能性があるので注意が必要です。
新たに賃貸借契約を結ぶときは、以前の借り主はどのような事業で、またどのような理由でその物件を撤退したのかを、ある程度把握しておく必要があるでしょう。
テナントの使用目的
事業主によって物件を借りる理由は様々です。その中で主な使用目的は以下の通りです。
- 販売・サービス提供するための店舗運営
- 事務作業を行うオフィス
- 公共施設
- 貸し倉庫
一般的によく想像されるのは1.としてのテナントですが、その地域の再開発のために建てられたビルには、行政が公共施設を入れる場合もあります。
因みにこうした物件は、立地や物件の設備が住居向けではないため、基本的に居住目的で借りることは出来ません。