「モットー」とは
「モット―」は、英語の「motto」をそのままカタカナ読みしたものです。
英語では、貴族が紋章などに記した銘や言葉、巻頭・章の冒頭の題辞や引用句、音楽用語の反復楽句など様々な意味をもちますが、日本語においては以下の意味のみで使用されています。
- 行動の目標や指針となる事柄。また、それを表した語句や標語
- 座右の銘。
「motto」の由来
英語の「motto」は、イタリア語の「motto」(標語・格言)が由来です。更に、イタリア語の「motto」は、ラテン語の「muttum」(声・発生)が語源とされています。
「モット―」の使い方
モット―には、ことわざや四字熟語、著名人の名言などが使用されることが多いですが、勿論オリジナルのフレーズでも構いません。
【例文】
- 小学生の頃に読んだ小説の一文が、その後の人生における私のモットーとなった。
- 話上手な祖父のモットーは、「無駄な一日。それは笑いのない日である」というチャップリンの名言です。
- 「創意工夫」は、斬新なデザインの家具で有名なX社のモットーです。
「モットー」の類語
「モットー」という言葉は、個人で使用する場合は目標や生活信条など、企業や団体など組織が使用する場合はポリシーや基本理念などの意味で使われることが多いです。そのため、「モットー」の類語も個人と団体では異なる場合があります。
また、類語として挙げる単語のなかには多義語もありますが、ここでは「モットー」と同じ意味にかぎり例文とともにいくつか紹介します。
主に個人で使う「モットー」の類語
【座右の銘】
常に自分の心に留めたり座席のそば近くに記す、戒めや励ましとする言葉。(例:いつも飄々としている友人の座右の銘は、「明日は明日の風が吹く」だ)
主に組織で使う「モットー」の類語
【理念】
事業や計画などの根底にある基本的な考え方。物事のあるべき状態についての根本的な考え方。(例:両親は教育理念に感銘を受け、この学校に子供を入学させることにした)
【クレド】
企業の活動や仕事の基準となる信条や価値観で、より具体的な行動指針。(例:Y社のクレドに「お客様の安全」があったので、震災の際に従業員はお客様に商品の飲食物を無償で提供した)
【スローガン】
(広く一般に浸透させるために)団体の主義・主張や運動の趣旨を簡潔に表した標語。「mottoモットー」の政治的・宣伝的標語に当たるのが「sloganスローガン」ともされる。(例:「人や自然に優しく」とは、オーガニック団体らしいスローガンだ)
その他の「モットー」の類語
【標語】
主義・主張、行動の目標などを簡潔に表した短い語句。(例:交通安全標語は的を得ていて、多くの人の心に留まりやすい)
【格言】
人生における真理や機微や処世術などを述べ、教訓や戒めを簡潔に表した有用な言葉。(例:ある有名な経営者の格言は、多くの企業家が参考にしている)
【信条】
正しいと信じかたく守っている事柄。かたく信じる事柄。(例:祖母は誠実を信条とする)
【ポリシー】
物事を行うときの方針や原則。政治上の政策。比較的、モットーが行動における指針に対し、ポリシーは考え(思想)の指針として一般的に使用される。(例:彼の仕事におけるポリシーは、「先手必勝」だ)
企業が掲げる「モットー」
企業の場合、モットーは企業理念をうたっていることが多いです。何社か例を挙げて紹介しましょう。
サントリーホールディングス株式会社(SUNTORY)
このフレーズは、公式サイトのグループ企業理念のトップに私たちの約束として掲げられている、CMでもおなじみの言葉です。
顧客および地域社会や自然環境とのかかわりを大事にする企業が、水の特性である柔軟さや潤い、更に水を守ることに企業の思いを絡めて考案した言葉のようです。多くの飲料商品を提供する企業のイメージに相応しいフレーズと言えるでしょう。
その他の企業の「モットー」
- 象印マホービン株式会社(ZOJIRUSHI):「暮らしを創る」(企業理念)
- 株式会社ツムラ(ツムラ):「自然と健康を化学する」(経営理念)
- ソフトバンク株式会社(SoftBank):「情報革命で人々を幸せに」(経営理念)
- 株式会社東芝(TOSHIBA):「人と、地球の、明日のために。」(グループスローガン)
こうして確認してみると、モットーが各社の商品の根底にあるのがよく分かり、より商品に親しみを感じられますね。
また個人におけるモットーは、苦楽がある人生のなかで、何かの折に支えや励みになったり、あるいは自分が目指すことへの指針になったりもするでしょう。
もし、ご自身のモットーが特にない方がいたら、この機会にモットーを考えてみてはいかがでしょうか。