「討論」の意味や使い方
「討論」は「とうろん」と読み、ある問題について意見を述べ合い、議論をすること、互いに議論をたたかわすことです。
- 各党首の討論会
- その件について討論が行われている
- その問題はまだ討論中だ
「討論」の成立
「討論」は明治十年代から「debate」の訳語として使われるようになった言葉です。
「debate(ディベート)」は現在のカタカナ語(外来語)としても、公開の場で人々が問題などに賛成と反対の立場に分かれ、意見をたたかわせる意味で、討論会や意見交換会に近いニュアンスで使われています。
「討論」の類語
「討論」の類語は「討議(とうぎ)」「ディスカッション」などがあります。
「討論」が特定の場で互いの意見、論などをたたかわすことであるのに対し、「討議」は意見を交わし、いろいろと検討を重ねることにより、最終的になんらかの結論や決議へ導こうとすることです。「ディスカッション」は「討論」とほぼ同じ意味合いで使われています。
- 討議に付(ふ)する
- 対策を討議する
- 憲法問題を討議する
- 討議を重ねる
- パネルディスカッション
使い分けの例
- 環境問題について□□する…○討論、○討議、○ディスカッション
- □□を重ねる…○討論、○討議、○ディスカッション
- 善後策(ぜんごさく)を□□する…×討論、○討議、×ディスカッション
- □□会…○討論、×討議、×ディスカッション
また、関連する言葉に「対談(たいだん)」「鼎談(ていだん)」「面談(めんだん)」などがあります。
「対談」
あることがらについて、通常二人が向かい合って語り合うこと。「討論」「討議」に比べてなごやかに行われ、必ずしもなんらかの結論を引き出そうというものではない。また。一方が聞き手に回って行われることも多い。
- 作家とスポーツ選手の対談
- テレビで対談する
「鼎談」
「鼎(かなえ。中国古代の土器または青銅器)」は三本足の器であることから、三人が向かい合って話し合うこと。
- 三巨頭(さんきょとう)が鼎談する
- 三政党の党首による鼎談が行われた
「面談」
面会して直接話すこと。
- 先生と面談する
- 合否(ごうひ)は面談のうえ決定する
- 委細(いさい)面談
その他に意味合いの近い言葉は、以下のようなものがあります。
論じる
- 論ずる
- 言い合う
- 議論を展開する
- 論議をつくす
- 弁(べん)ずる
- 弁舌(べんぜつ)をふるう
- 言辞(げんじ)を弄(ろう)する
- 弁論(べんろん)
- 論述(ろんじゅつ)
- 論白(ろんぱく)
- 提議(ていぎ)
- ブレインストーミング
論争
- 論戦(ろんせん)
- 面争(めんそう)
- 論(あげつら)い
- 物議(ぶつぎ)
- 論陣(ろんじん)
- 紛議(ふんぎ)
- 黒白(こくびゃく)を争う
- 火花を散らす
- 鎬(しのぎ)を削(けず)る
- 筆戦(ひっせん)
- 理論闘争(りろんとうそう)
「討論」の英語
「討論」の英語は、discussion(意見を出して話し合うこと)、debate(対立する意見をぶつけて議論すること)などがあります。
- その件について討論が行われている…A discussion of the matter is underway.
- その問題はまだ討論中だ…The question is still under discussion./The question is still under debate.
- その問題について討論した…They discussed the problem./They had a discussion about the problem./They had a debate about the problem.
- 彼らは討論を打ち切った…They cut off debate./They closed the discussion.