「許す」の意味や使い方
「許す(ゆるす)」は、以下のようにそれぞれの意味合いが分けられます。
相手の願いや申し出を聞き入れて希望通りにさせる
許可すること。認めること。受け入れること。
- 父は息子が留学することを許した
- 10日間の休暇を許した
- 面会が許される
- 医者から外出が許される
- 大型車の通行を許す
- 子どものわがままを許す
- 敵の侵略(しんりゃく)を許すな
- 相手に得点を許す
- 他(た)の追随(ついずい)を許さない傑作
- 恋人に肌を許す
罪や過失などを咎(とが)めだてせずにすます
容認すること。「赦す」とも書きます。
- 私たちは犯人を断じて許さない
- どうか彼を許してください
- 小さな過ちだ、許してやれ
- 謝って許される問題ではない
- 許されて刑務所を出る
状況などが、あるものごとを可能にする
- 車を買い換えたいが予算が許さない
- 時間の許す限り協力する
- 事情の許す限り参加します
- 状況は予断(よだん)を許さない
- まだ楽観(らっかん)は許されない
- もはや一刻の猶予(いっこくのゆうよ)も許されない
警戒や緊張をゆるめる
- 気を許す
- 心を許した友
- 見知らぬ人に気を許すな
そうであると認める
- 自他ともに許すスペシャリスト
- 横綱を許す
負担や義務を免除する
「赦す」「免す」とも書きます。
- 税を許す
- 兵役(へいえき)を許す
「許す」の語源
「許す」の語源は、「緩し(ゆるし)」と同じで、固く締められているものをゆるくする意味です。
そこから、態度を緩和(かんわ)させる、緊張をとくことの意味合いが生まれ、現在の使い方にほぼ近い「許す」が成立しました。
「許す」の類語
「許す」の類語は「許可(きょか)」「認可(にんか)」などがあります。
「許可」は広く一般的に使われていますが、法令(ほうれい)では一般的に禁止されている行為について、特定の場合にこれを解除する行政行為のこととされています。「認可」は公的機関が同意を与えることです。
- 許可を得て営業する
- 書類が不備で認可できない
- 学園設立の認可を受ける
使い方の例
- 開業を□□(する)…○許す、○許可、○認可
- 入学を□□……○許す、○許可、×認可
- 所轄(しょかつ)大臣が□□した定価…×許す、×許可、○認可
その他に似た意味合いの言葉は、以下のようなものがあります。
許可、許容
- 勘弁(かんべん)
- 容赦(ようしゃ)
- 特許(とっきょ)
- 裁可(さいか)
- 寛恕(かんじょ)
- 聴許(ちょうきょ)
- 黙許(もっきょ)
- 批准(ひじゅん)
- 免許(めんきょ)
- 認許(にんきょ)
- 可(か)とする
- 差し許す
- 允許(いんきょ)
- 承允(しょういん)
- 認定(にんてい)
- 公認(こうにん)
- 認証(にんしょう)
- 青信号
- 受容(じゅよう)
- 受理(じゅり)
- 目をつぶる
罪を許す
- 赦(しゃ)す
- 赦免(しゃめん)
- 免罪(めんざい)
- 恕免(じょめん)
- 宥恕(ゆうじょ)
- 不問に付す(ふもんにふす)
- お咎(とが)めなし
- 胸三寸(むねさんずん)に納める
- 腹に納める
- 恩免(おんめん)
- 大赦(たいしゃ)
- 特赦(とくしゃ)
- 保釈(ほしゃく)
- 放免(ほうめん)
「許す」の英語
「許す」の英語は、allow、permit(許可する)、forgive(個人的な感情の問題で恨みをなくすこと。宗教的な意味合いも含む)、pardon(立場が上の者が寛容の心で、法的や道徳上の罪を許すこと)、excuse(小さな過失を許すこと)などがあります。
- 教室では喫煙は許されていない…Smoking is not allowed in classrooms.
- 両親はついに娘の結婚を許した…The parents finally consented to their daughter's marriage.
- 彼の罪は許された…His sins were forgiven./His crime was pardoned.
- 彼は彼女の過失を許した…He forgave her mistake.