「朗らか」の意味や使い方
「朗らか」は「ほがらか」と読み、本来は空が明るく晴れわたっていることです。転じて、心が晴れ晴れとして明るいこと、気持ちや性格が明るく楽しげな様子、快活(かいかつ)な様子をあらわす意味合いができました。
例
- 初秋(しょしゅう)の朗らかな一日
- 朗らかな人
- 朗らかに笑う
「朗らか」の古語
「朗らか」はとても古くからある言葉です。
平安中期(西暦1000年前後)に成立した「宇津保物語(うつほものがたり)」「蜻蛉日記(かげろうにっき)」に、それぞれ「大学の窓に光朗らかなるあしたは眼もかはさず守る(大学の窓に光が明るい朝は、目を他に移さず、本にじっと見入る)」「帰る雁を鳴かせてなどこたへたれば、いと朗らかにうち笑ふ(帰ってくる雁を鳴かせて、などと答えると、とても楽しそうに笑っていた)」などという部分があります。
現在とほぼ同じ、明るいことや楽しそうな様子の他に、ものごとに通じた(物知りな)様子をあらわす場合もあります。
「朗らか」の類語
「朗らか」の類語は「明朗(めいろう)」「陽気(ようき)」などがあります。
「朗らか」が性格そのものと、その性格が行動や状態などにも及んでいる場合に使うのに対し、「明朗」は人の紹介などに使われることが多い他、隠し事なくはっきり示し、嘘偽り(うそいつわり)がないという意味もあります。「陽気」はさらににぎやかな場合に使います。「陽気」の反語は「陰気(いんき)」です。
例
- □□な人…○朗らか、○明朗、○陽気
- □□に笑う…○朗らか、×明朗、○陽気
- □□活発…×朗らか、○明朗、×陽気
- □□な踊り…×朗らか、×明朗、○陽気
その他の意味合いは、似た言葉に以下のようなものがあります。
陽気(気配)
- 明るい
- 弾(はず)む
- 浮き立つ
- 浮かれる
- 軽(かろ)やか
- うきうき
- わくわく
- 快(こころよ)い
- 気が晴れる
- 晴朗(せいろう)
- チアフル
- ジョイフル
- 陽がさす
- 晴れやか
- 晴々(はればれ)
- 遅々(うらうら。麗)
- 爽々(さわさわ、さばさば)
- 清(さや)か
明るい人柄
- 陽気者(ようきもの)
- 快活(かいかつ。快濶)
- 気さく
- 洒脱(しゃだつ)
- ひょうきん
- お茶目(ちゃめ)
- 磊落(らいらく)
- 飄々(ひょうひょう)
- 活発(かっぱつ)
- 溌剌(はつらつ。溌溂)
- 人懐(ひとなつ)こい
- オプティミスト
晴れ
- 天晴れ(あっぱれ)
- 晴天(せいてん。青天)
- 日本晴れ(にほんばれ)
- 快晴
- 好晴(こうせい)
- 晴好(せいこう)
- 好天(こうてん)
- 上天気
- ~日和(ひより)
- 一天鏡の如く晴れ渡る(いってんかがみのごとくはれわたる)
- 一点の曇りなく(いってんのくもりなく)
「朗らか」の英語
「朗らか」の英語は、cheerful(朗らかな)、merrily(朗らかに)、spirited(活発な)、lively(快活な)、lightheartedly(うきうきした感じ)などがあります。
- 朗らかな青空…a clear blue sky/a bright azure sky
- 彼は朗らかな人だ…He is a cheerful man.
- 彼女は朗らかに笑った…She laughed merrily.
- 明るい性格である…be of a cheerful disposition
- 知らせを聞いて彼の顔は明るくなった…His face lighted up at the news.
- 彼に会って気分が明るくなった…My spirits rose when I saw him./I felt lighter at heart when I saw him.
- 夏休みが始まって、子どもたちはうきうきしている…With the start of summer vacation, the children are buoyant and cheerful.