「ジェネラル」とは?
「ジェネラル」という言葉を使うとき、「ジェネラルマネージャー」のように何らかの言葉に対して形容詞として用いられる例を思い浮かべる方が多いと思います。
この形容詞としての「ジェネラル」の意味は、「総合的な」「全体的な」「(専門的ではなく)一般的な」といった意味であり、上の例では、マネージャーの中でも総合的な役割・責任を負っている人を「ジェネラルマネージャー」と表現するわけですね。
形容詞ではなく、名詞として使用する場合は「将軍」という意味になります。それぞれの意味や使い方について、用語別に詳しく見ていきましょう。
「ゼネラル」とも表現する
「ジェネラル」は英語「general」に由来し、発音としても「ジェネラル」が近いのですが、カタカナ語では慣例的に「ゼネラル」と表現する場合もあり、「ジェネラル」と「ゼネラル」は同一の意味で使用することができます。
企業用語の「ジェネラル」
企業用語やビジネスシーンで「ジェネラル~」と言った場合、既に例に挙げた「ジェネラルマネージャー」のように、役職名の前に着けて「総合的な」「総~」という意味で使われるのが一般的です。
ひとりひとりのマネージャーが各支店・店舗や各エリアを管理するのに対し、「ジェネラルマネージャー」はそのマネージャーたちを含め企業全体を管理する「総支配人」「総責任者」の役職であるとイメージすれば良いでしょう。
『ゼネラルモーターズ(GM)』『東燃ゼネラル石油』のように、「総合的にその商材を扱う」という意味を込めて、社名として採用している例も数多くあります。
関連する用語
- ジェネラル・ストライキ…ひとつの企業ではなく、同一地域や同一産業の労働者が統一目標を掲げて起こすストライキ。ゼネスト。
- ジェネラル・スタッフ…企業経営者に直属して経営者を全般的に補佐・援助する人員や部門。
- ジェネラリスト…「幅広い知識を持つ人」の意。エンジニアや研究者など、専門分野の仕事を行う人間に対し、「総合職」「管理職」という意味。
使用例
- ジェネラルマネージャーの決定で、大規模な人事異動が行われる。
- あの人は業界屈指のジェネラリストだ。
医療用語の「ジェネラル」
医療用語で「ジェネラル~」と言った場合は、専門分野に囚われない「総合の」や「一般の」という意味で使用されます。
例えば日本語の「総合病院」は、英語では「ジェネラルホスピタル」(general hospital)といいます。内科、外科、皮膚科など専門領域を総合的に扱える病院だから「ジェネラル」というわけですね。
また、特定の専門分野に限定せず、総合的・多角的な視点から診療を行うドクターのことを「ドクタージェネラル」(総合診療医)と呼びます。
使用例
- 地域医療を支えるドクタージェネラル(総合診療医)を志す。
軍事用語の「ジェネラル」
軍事用語、もしくは名詞として「ジェネラル」と言った場合、それは「将軍」という意味になります。アメリカ軍の階級を例にとりますと、「尉官」(Captain,Lieutenant)「佐官」(Major,Colonel)の上に当たるのが「将官」(General)です。
国家や運営体制によって「ジェネラル」が示す階級やその範囲は少々異なり、「司令官」などを指す場合もありますが、一般的には「将軍」の訳語として定着しています。
海堂尊氏による医療推理小説『ジェネラル・ルージュの凱旋』における「ジェネラル・ルージュ」とは、「将軍」+「(フランス語)赤色」で、「血まみれ将軍」という意味であり、登場人物の異名を指しています。
使用例
- ジェネラル・マッカーサーといえば、軍帽とパイプがトレードマークだった。
- 春が近いのにジェネラル・フロスト(冬将軍)がまだ居座っている。
英語の「ジェネラル」
英単語としての「ジェネラル」(general)は、カタカナ語とほぼ同一の意味となっており、以下のような意味となっています。
【形容詞として】
- 全般の、一般の、全体的な、世間一般の
- (専門的ではなく)一般的な、普通の、雑多な
- 概略の、総括的な、漠然とした
- (官職名につけて)…長、総…
- 陸軍大将、将官、将軍、元帥
- 戦術家、軍師
- (カトリックの)修道会長
- 一般、総体
使用例
- the general public(一般大衆)
- general outlines(概要)
- a major general(陸軍少将)
「ジェネラル」の対義語
「ジェネラル」の対義語にあたるのは、「特殊」や「専門」を意味する「スペシャル」(special)です。
ひとつの物事に的を絞って専門的な仕事を行うのが「スペシャリスト」であるのに対し、複数の物事を総合的・一般的に扱うのが「ジェネラル(な人)」であると覚えましょう。