「回る」とは
「回る」は「まわる」と読み、「回る」はとても多くの意味を持っています。たとえば「回転する・ 遠回りする・別の位置や立場に移る・十分にはたらく」など、これら全て「回る」という言葉が本来持っている意味です。またその他には「やり繰りができる・資金が利息を生む」などもあります。
「回」という漢字
「回」は音読みで「かい・え」。訓読みで「まわる・まわす・めぐらす」と読みます。
「回」という漢字自体は「まわす・もとにもどす・ひとまわり・度数」などの意味を持ち、「回覧・回収・毎回」などの様に使われます。
「周る」とは
「周る」という言葉は、よく「まわる」という読み方であると思われがちです。しかし正しくは音読みで「めぐる」と読みます。
「周る」=「まわる」は間違い
「周る」を「まわる」だと間違って認識してしまう原因は、恐らく「まわる」と「まわり」が混同してしまっているためだからなのでしょう。
また「周」という漢字自体は「まわる」という意味を持っています。こういったことも「周る」=「まわる」のように間違われてしまう原因なのではないでしょうか。
「周」という漢字
「周」は音読みで「しゅう・す」。訓読みで「まわり・めぐる・あまねく」です。
「周」という漢字自体は「まわる・めぐる・あまねくゆきわたる」などの意味を持ち、「周囲・周辺・周遊」などの様に使われます。
「周」は「まわり」とは読めなかった
今では送り仮名をつけることによって「まわり」と読むことが出来る「周」という漢字ですが、ひと昔前までは「周り」を「まわり」と読むことは出来ませんでした。
実は「周り」を「まわり」といった決まりになったのは1973年(昭和48年)6月18日のことです。当時はじめて当用漢字音訓表において「周」という漢字に送り仮名を付けて「まわり」という訓読みが追加されました。
「当用漢字音訓表」とは
現在の「常用漢字表」の前に決められていた、言葉の使い方のルールを表したようなものです。「常用漢字表」よりも、若干制限が厳しかったと言われています。
「回り」とは
「回り」とは「まわり」と読み、「まわること・まわり方・転じて、ものの働きぐあい」といった意味を表します。
ちなみに「回り」と同様の意味を表す言葉として「廻り」もありますが、こちらは常用漢字ではありません。そのため世間一般的にはあまり馴染みがない言葉であります。
「周り」とは
「周り」は「まわり」と読み、辞書には「回り」や「廻り」と同じ大見出し(項目)の中にあることがほとんどです。しかし一般的に「周り」は「周囲・周辺」といった意味を表す時だけに使われるようです。
逆に考えると上記以外の「まわり」の場合は、ほぼ「回り」で表すことができます。但し「まわり」を表す漢字に、「回」「周」どちらの漢字を使うのかは、一説にはこれまでの習慣からきているところもあるそうです。そのため実際に例文をみながら「回」「周」の使い分けを確認する方が良いそうです。
「回る」「回り」の使い方
- 辺りを歩き回る。
- プロペラ機の羽が回る。
- 得意先を回る。
- この道は遠回りだ。
- 腰回りに肉がついた。
- 一回り年が違う。
「周り」の使い方
- 周りの人の反応が気になる。
- 家の周りに花を植える。
- ビルの周りを散歩する。
注意しなくてはならないのが「世界をまわる」という時は「回る」を使います。「世界一周」という言葉があるので、間違いやすいので注意が必要です。