「スチール」とは？意味や使い方をご紹介

カタカナ語の「スチール」には、語源となった英語によって様々な意味があります。
 

1. steal：「盗む。奪う。」→「野球で盗塁すること。バスケットボールで相手のボールを奪うこと。」
2. steel：「鋼。鋼鉄。」
3. still：「映画の中の一場面の写真。宣伝用などに使うスチール写真。」

「スチール（steal）」は、「盗む。奪う。」という意味から、「（野球で）盗塁すること」、「（バスケットボールで）相手が持っている球を奪うこと」を表す言葉で、「スティール」と表記することもあります。

野球において、「スチール（steal）」とは、「ランナーがピッチャーの投球と同時に走り出して次の塁まで進むこと」を指し、「盗塁」とも言います。キャッチャーからの送球がランナーが塁に到着するよりも早かったとしても、タッチされなければセーフとなります。

「スチール」は他の言葉と組み合わせて使うケースが多く、「ホームスチール（本盗）」、2人のランナーが同時に盗塁することを「ダブルスチール（重盗）」と言っています。

バスケットボールにおいて、「スティール（Steal）」とは、「ディフェンスの選手がオフェンスの選手からボールを奪うこと」で、オフェンスの選手がドリブル中に手を出してボールを奪ったり、パスを出した時にボールを奪う（パスカット）ことを行為のことを指しています。

スチールの際、ディフェンスの選手はオフェンスの選手の手や身体に触れてはならず、触れた場合にはファウルを取られます。ボールを奪った選手には「スチール」が記録され、奪われた選手には「ターンオーバー」が記録されます。スチールはポジティブな評価、ターンオーバーはネガティブな評価です。

• （野球で）ホームスチールが決勝点となる劇的な展開だった。
• （バスケットボールで）彼はスチールが得意な選手だ。

「スチール（steel）」とは、「鋼（はがね）」、「鋼鉄（こうてつ）」のことで、「スティール」と表記する事もあります。鉄の主成分とする合金を指し、炭素を0.04～2％程度含んでいます。鉄の性能（強度・靭性・磁性・耐熱性など）を人工的に高めたもので、建築においては、構造体や外壁、建具など様々な用途があります。

世界初の「スチール」を開発したのは、紀元前1400年頃のヒッタイトだと考えられています。ヒッタイトでは、墨を使って鉄を鍛造することによってスチールを製造し、アナトリアを中心に鉄を主力とする最初の文明を築きました。ヒッタイトが滅亡すると、秘匿されていたこの技術が伝播していきました。

「ステンレス」は、正しくは「スチール・ステンレス（ステンレス鋼）」と言い、スチールの一種です。ステンレスはスチールにクロム（やニッケル）などを加えた合金で、炭素を1.2 %以下、クロムを10.5%以上、含んでいます。「stain（錆などによる変色、汚れ）」＋「less（無い）」が語源で、日本では「不銹鋼（ふしゅうこう）」と呼ばれていました。

スチール、ステンレスには、それぞれ次のような長所と短所があります。

スチールは錆びやすいので、頻繁にお手入れする必要があります。スチール製品のお手入れは、最初に中性洗剤で汚れを落として、水洗いで洗剤を完全に流し去り、その後、水滴が残らないように拭き取って十分に乾燥させます。

ステンレスが錆にくいのは、含まれるクロムが空気と触れて形成される酸化皮膜が錆を防ぐからです。汚れ（汗・埃など）などに覆われて酸素が遮断されてしまうと、皮膜が破壊されて錆びてしまいますので、ステンレス製品のお手入れは、日頃から柔らかい布で汚れを拭き取ると良いでしょう。

• スチールは磁石がくっつく性質がある。
• ここではスチール缶とアルミ缶を分別してください。
• スチールは自転車（ママチャリ）や収納ラックなどにも使われている。

「スチール（still）」とは、「写真」を意味する言葉で、「映画（movie）」に対する言葉です。「スチール写真」、「スチル」とも言われ、映画の中のワンシーンを表した写真や宣伝用写真などを指しています。また、近頃では、「（恋愛ゲームなどの）イベントCGや一枚絵」のことを「スチル」ということがあります。
 

• 昔の映画のスチール写真に心惹かれる。
• あの俳優の新しいスチールは、前のよりも好みだ。（宣材写真、アー写）
• ようやくゲームのスチルを回収できた。（各ルートを攻略してイベントCGを全て集め終えた。）