「マイナー」の意味
「マイナー」(minor)には、次のような意味があります。
- 小さいさま。重要でないさま。
- あまり知られていないこと。
1と2はニュアンスが異なりますが、規模などが「小さい」ために「あまり知られていない」という意味と結びつき、複合的に「マイナー」と言われるケースもあります。
例えば「マイナーなスポーツ」と言った場合、「競技人口が少ない」ことを示すと同時に、「一般人にはなじみがなく、あまり知られていない」という意味も含まれる可能性があります。
主な使い方
- 大学では、世界のマイナーな言語について研究しています。([話者が]少ない)
- そんなマイナーな事例に関わっている時間はない。(重要でない)
- あのバンドはまだまだマイナーだが、将来有望だ。(知られていない)
- マイナーな趣味だけど、私は気に入っている。([趣味にしている人が]少ない、知られていない)
対義語「メジャー」との関係
「マイナー」の対義語は「メジャー」(major)であり、「大きいさま、重要なさま、有名なさま」という正反対の意味を持ちます。
何かに対して「マイナー」と表現する場合、「メジャー」なものが原則として先に存在しており、マイナーはそれに対して相対的な意味で用いられる言葉です。そのため、「マイナー」と「メジャー」はセットで覚えると良いでしょう。
「マイナー」の関連語
- マイナー・チェンジ…小さな手直し。全体の機能はそのままに、部分的に小さな変更を行うこと。
- マイノリティ…少数派、少数民族。「minor」に性質・状態を表す「-ity」をつけた言葉。
音楽用語の「マイナー」
音楽用語の「マイナー」は「マイナー・コード」の略であり、「メジャー・コード」に対置される言葉です。短調、短音調、マイナー・スケールとも呼ばれます。
メジャー・コードが「明るい」雰囲気を感じさせる和音のことを指すのに対し、マイナー・コードは「暗い」雰囲気の和音を指しています。暗いといってもネガティブな意味ではなく、悲哀や幻想を表現するメロディで重用されています。
【マイナー・コードの例】
- Cマイナー(Cm)…ド、ミ♭、ソ
- Fマイナー(Fm)…ファ、ラ♭、ド
使い方
- 美しいEマイナー(ホ短調)のソナタだった。
野球用語の「マイナー」
野球用語の「マイナー」は、世界最大のプロ野球リーグである「メジャー・リーグ・ベースボール」(MLB)傘下の「マイナー・リーグ」のことを意味しています。正式名称は「マイナー・リーグ・ベースボール」(MiLB)です。
日本のプロ野球でいう2軍に相当する概念ですが、「マイナー・リーグ」には7つもの階級があり、所属リーグの選手たちは階級の頂点である「メジャー・リーグ」への昇格を目指し日々練習に励んでいます。
使い方
- あの選手は今季の不調で、マイナーへ降格した。
大学用語の「マイナー」
大学用語にも「メジャー」と「マイナー」があり、それぞれ「主専攻」と「副専攻」を意味しています。「メジャー」がその学科を修了するにあたって必ず学ばなければならない自分の専門分野であるのに対し、「マイナー」は学びの幅を広げるために選択する異分野の専攻です。
生徒の興味関心に合わせて柔軟な学び方を選べる「メジャー・マイナー制度」は主にアメリカの大学で取り入れられている考え方ですが、日本の大学でも採用例があります。
使い方
- メジャーは心理学を、マイナーでは社会学の講義をとることにした。
その他の「マイナー」
ここまで紹介してきた「小さい、重要でない、知られていない」を意味する「minor」以外の「マイナー」を以下にまとめます。
人名の「マイナー」
綴りは「Minor」。男性名です。
鉱山の「マイナー」
綴りは「miner」。鉱山を意味する「mine」に人・ものを意味する「er」が付いた形であり、「採掘者」という意味です。また、軍事用語として「地雷敷設者」という意味もあります。
仮想通貨の「マイナー」
仮想通貨における「マイナー」は、採掘者を意味する「miner」に由来します。
仮想通貨には銀行などの発行元が存在しないため、その信頼性を維持するには特殊な計算処理を取引のたびに行う必要があります。その計算が地層を下に「掘る」ようにイメージされることから「マイニング」と呼ばれ、それを行う人が「マイナー」です。