「愛しい」の意味や使い方
「愛しい(いとしい)」は、男女間において恋しく思う気持ち、慕(した)わしく思う気持ちを表す場合がもっとも多く、「愛しい人へ手紙を書く」というように使います。文章語で、やや古い言葉です。
本来の意味合い
本来は男女間のことだけでなく、もっと広い「情(じょう。思いやりやなさけの心)」の意味合いがあります。
- 可愛いと思う。「愛しいわが子」
- 可哀想、不憫(ふびん)に思う。「追ひ出して御ざるがいとしい事を致した(狂言、鈍太郎)」
どちらも、頼りなかったりもろい感じがする弱いものに対して、愛情を注ぎたくなったり、守ろうと行動したりと、人間なら当たり前に抱くいわゆる庇護欲(ひごよく)についてのことです。「かわいらしい」「かわいそう」は語源としては同じで、こうした「情」から出ています。
男女間の恋愛についても、見返りを求めずその人のためになることをする、という意味合いで「愛しい」にまとめたようです。
「愛しい」の類語
「愛しい」の類語は「いとおしい」「愛(あい)らしい」「愛(あい)くるしい」です。
「いとおしい」は、いとほし→いとしと略されたものが「愛しい」なので、ほぼ完全に同じ言葉です。
「愛らしい」は、特に小さなものに対して可愛いと感じること。「愛くるしい」は、幼い子供や小動物などの動作や表情などがとても可愛いと感じることです。その他、可愛いと思うこと、好きだと思うことの言葉には以下のようなものがあります。
- 愛すべき
- うるわしい(麗しい、愛しい)
- 可愛らしい
- 労甚し(ろうたし)
- 可憐(かれん)
- 憎からず思う
- 懐しい(ゆかしい)
- 心憎い(こころにくい)
- チャーミング
- キュート
「愛しい」の類語
「愛しい」の英語はlovely、sweet(可愛い)などがあります。
- 愛しいわが娘…my dear daughter
- □□が愛しい…think tenderly of □□