「バイオレンス」の意味
「violence」は「violate」から派生した言葉で、ラテン語の「力で扱う」が語源です。「バイオレンス」は暴力や乱暴な行為を意味し、一般的に肉体に加えられる力を指します。
バイオレンス映画というジャンルがありますが、殺し合いや拷問など暴力を伴う過激なシーンが多用されることが特徴です。
また、バイオレンス小説も同様に暴力が売りです。推理小説と並ぶ薄利多売ジャンルであることからも、暴力は人を魅了するエンターテイメント性を有しているといえます。
「バイオレンス」の使い方
「バイオレンス」の使い方にはどんなものがあるでしょうか。ドメスティック・バイオレンスという言葉はよく見聞きしますし、略語のDVにも馴染みがありますね。家庭内暴力とも訳されますが、主に配偶者や恋人など親しい間柄に起きる暴力行為を指します。
さきほどの「バイオレンス映画」を英語にすると「a violent movie」です。「バイオレンス」はあくまで名詞なので「あの映画はバイオレンスだ」のように「暴力的な」というニュアンスで使うのは誤りです。
こういった映画や小説には注意書きがされていることも多いですが、「バイオレンスな表現が含まれます」は誤用で「バイオレントな表現」あるいは「バイオレンス表現」とするのが正しい使い方です。
「バイオレンス」の英語での意味や使い方
「バイオレンス」の英語での意味や使い方を見ていきましょう。カタカナ語での「バイオレンス」と同じく暴力行為という他にも意味があり、大きく分けると以下の3つになります。それぞれ例文を交えて詳しくご紹介します。
- 暴力、乱暴、暴行
- (自然現象などの)激しさ
- (感情や表現などの)激しさ
暴力、乱暴、暴行
「暴力、乱暴、暴行」としての「violence」は肉体的な暴力という意味を含むほか、政治的な暴挙など不正を意味することもあります。また、「rape(レイプ)」の遠回し語としても使われ、「violence against women(婦女暴行)」などのように表現します。
【例文】
- The bank robbery with violence was arrested yesterday.(銀行強盗は昨日逮捕された)
- She grew up in home where there was domestic violence.(彼女は家庭内暴力のある家で育った)
- We need to end political violence in this country.(我々はこの国での政治的暴挙を終わらせる必要がある)
二つ目の例文に出てくる「domestic violence(DV)」は正確には夫婦間での暴力であり、日本語でいうところの家庭内暴力は「family violence(FV)」と表現されます。
「domestic」は「家庭の」という意味ですが、DVは「intimate partner violence(IPV)」と同義で使われます。
(自然現象などの)激しさ
「(自然現象などの)激しさ」という意味の「violence」では、嵐や台風など自然災害や爆発による衝撃などの大きさを表現します。
【例文】
- She faced the violence of storm.(彼女は嵐の猛威に立ち向かった)
- The violence of the explosion knocked down nearby trees.(爆発の激しさで近くの木々がなぎ倒された)
(感情や表現などの)激しさ
「(感情や表現などの)激しさ」としての「violence」は、人の口調や表情、動作に表れる激情を表現します。「物にあたる」という意味での暴力はこちらです。
【例文】
- He slammed the door with violence.(彼は音を立てて乱暴にドアを閉めた)
- She spoke with violence.(彼女は荒々しい口調でしゃべった)