「r.i.p.」とは?
「r.i.p.」の意味
「R.I.P.」はラテン語の「requiescat in pace」の頭文字をとったものです。英訳すると「rest in peace」となり、直訳では「平和の中の休息」、意訳としては「安らかに眠れ」という表現がふさわしいでしょう。
故人の霊や魂に対する敬意表現として古くから墓石に刻まれてきましたが、それ以外でも、英語圏の新聞の見出しやSNS上などで使用されています。「ご冥福をお祈りします」「お悔やみ申し上げます」といった日本語も意味が近いでしょう。
上記の通りラテン語由来の言葉ですので、「R.I.P.」が英語「rest in peace」の略であるという理解は正しくありません。しかし意味上の齟齬はないため、「rest in peace」という語句を思い浮かべると、「R.I.P.」の意味を覚えやすいかもしれません。
主な使用例
墓石に刻まれる言葉として
葬儀における決まり文句のひとつとして
新聞の見出しなどで
TwitterやFacebookで故人に寄せる言葉として
「r.i.p.」の表記・読み
表記については、頭文字をつなげたものであることを強調するために、ピリオドで区切りながら大文字で「R.I.P.」と書くのが正式な形です。Pのあとの最後のピリオドも省くべきではありません。
正式ではありませんが、ピリオドをすべて省略して「RIP」と書くことは問題ありません。しかし、小文字で「rip」と書くのは、「切り裂く」という意味を持つ英単語と混同される恐れがあるため、避けるべきです。
読み方としては、一文字ずつ区切って「アール・アイ・ピー」と読むのが一般的ですが、「リップ」と読んでも間違いではありません。ただしこの場合も、単語「rip」との混同に注意しましょう。
「r.i.p.」の起源と文化
「R.I.P.」の起源は古く、紀元前の墓に「requiescat in pace」に相当する文字の痕跡が確認されているようですが、正確なところはわかっていません。18世紀頃のヨーロッパでは既に一般的になっていたようです。
「R.I.P.」はキリスト教文化と深く結びついた言葉であり、キリスト教圏である欧米人の墓に刻まれることが多い言葉です。そのため、日本ではあまり一般的ではありません。
スラングとしての「r.i.p.」
「R.I.P.」には、インターネットネットスラングとしての用法もあります。この場合、ピリオドを入力する手間を省いて「RIP」と書かれるのが一般的です。
スラングとしての意味は本義「安らかに眠れ」からさほど離れませんが、ものや概念などの喪失・終息を人の死になぞらえ、皮肉や喜劇的ニュアンスをこめて「お亡くなりになった」「終わった」「さようなら」などと表現するのが特徴です。
使い方によっては、冒涜や悪口として捉えられる可能性がありますので、ご注意ください。
主な使用例
大事なものを思いがけず失ったときなど
商品の販売終了やサービス終了に際して
皮肉や悪口として
英単語としての「rip」
英単語の「rip」(リップ)には、「引き裂く、切り裂く、(布や紙を)破る、はぎ取る、切り取る、もぎ取る」などの意味があります。
名詞的用法としては、「裂け目、皮膚の裂傷」、「(はぎ取られたあとの)ちっぽけなこと」、さらに俗語的に「盗品、略奪品、戦利品」などの意味もあります。
「rip」の例文
- This cloth rips easily.(この布はすぐ裂けてしまう)
- rip a letter open (手紙の封を破って開ける)
- It doesn't have a rip to do with your health.(それはあなたの健康にはこれっぽっちの関係もない)
「rip」の関連語
- ジャック・ザ・リッパー…19世紀末のイギリスに登場した猟奇殺人鬼の通り名。別名「切り裂きジャック」。「ripper」自体に、「死体を切り裂く殺人鬼」の意味がある。
- リッピング…CD・DVDなどの内容をデジタルデータとしてパソコンに取り込むコンピュータ用語。「(データを)はぎ取る」の意味から。