メトロの意味
メトロという言葉は、東京メトロなど呼称にもよく使われていますが、日本においては主に以下の二通りの意味を指しています。
- 主要都市や大都市(メトロポリスの略語)
- 地下鉄(主にフランス語における地下鉄)
一般的には二つめの意味で使われることが多いです。以下、各々のメトロについて詳しく説明いたします。
主要都市のメトロ
国や大きな地方などの主要な都市や大都市のことを、英語で「metropolis(メトロポリス)」といいます。メトロポリスは、人口が多いだけではなく経済や文化などの中心であるため、世界的観点からも影響力が高く、様々な都市機能が集約している中心的な都市といえます。
なお、英語で首都はcapitalですが、capitalとmetropolisが必ずしも一致するとは限りません。たとえば、東京はmetoropolisでありcapitalです。一方、ニューヨークはmetropolisですがcapitalではありません。
【メトロの例文】
- 東京、ロンドン、パリ、ニューヨークは、世界有数のメトロだ。
- 高層ビルからニューヨークの夜景を見ていると、つくづくメトロだと実感する。
地下鉄のメトロ
日本における「メトロ」の語源となった、フランスで初めて1900年にパリに開通した地下鉄を、フランス語で「chemin de fer métropolitain(大都市の鉄道=メトロポリタン鉄道)」といいます。このパリのメトロ(métro de Paris)は、1900年のパリ万博に合わせて建設されたものです。
また世界で最初の地下鉄は、「Metropolitan Railway(メトロポリタン鉄道)」により1863年に開通した、イギリスにあるロンドン地下鉄です。フランスのメトロポリタン鉄道で使われているmétropolitainというワードは、このイギリスのMetropolitanに由来していると言われています。
各国における「メトロ」の用例
メトロはフランス語ではmétro、英語ではmetroの表記ですが、国により必ずしもmetroが地下鉄を意味しているとは限りません。都市型の交通機関の総称として、metroを使用している場合もあります。
なお、イギリスでは「underground」や「tube」、アメリカでは「subway」が地下鉄の名称です。
【メトロの例文】
- パリのメトロのドアは手動で開けるタイプもあり、初めて利用したときは驚いた。
- パリのメトロの駅は、アールヌーヴォーなど時代を感じる設計や、特定のテーマで駅構内を装飾するなど、デザインが凝っている所が多い。
その他のメトロ
複数の人がタイトルに「メトロ」を使って楽曲を作るなど、メトロという言葉は多方面でみられます。以下にいくつか紹介します。
【METRO(メトロ)】
ドイツのMETRO AGグループによる卸売企業で、日本では食のプロを対象にした卸売り市場・業務用スーパーを展開。登録制で関東に10店舗ある。
【株式会社メトロ】
日本のゲームの製作会社。業務用ゲーム、家庭用ゲームソフト、スマホ向けモバイルコンテンツなどの開発事業の他に、アミューズメント施設も運営する。
【metro】
スウェーデンで創刊された、広告のみで経費を負担する無料の日刊紙。欧州を中心に世界で発行され、主要都市の駅前での配布が多い。ロンドンの地下鉄などイギリス各地で配布されているMETROもフリーペーパーだが、スウェーデンのものとは名称が同じだけで関わりはない。
日本におけるメトロ(地下鉄)
日本における最初のメトロは、東京地下鉄道株式会社(愛称は東京メトロ)により、1927年12月30日に開通した上野と浅草を結ぶ2.2kmの路線で、アジアでも最初の地下鉄でした。現在、東京メトロは世界でも利用者数の多い地下鉄のひとつです。
都心部ではメトロは主要な交通手段といえ、日常から観光まで幅広く使われています。また、地上の在来線を超えるほどの運行状況の地域もあり、そこではメトロは中心的な交通機関です。
日本のメトロの路線網
東京メトロ 路線図
出典:東京メトロより
Osaka Metro 路線図
出典:Osaka Metroより
メトロは地下を通ることで、地上での用地確保が難しい地域まで入りこめます。縦横無尽な路線網は利便性が高いので、交通手段ひいては移動手段のひとつとして、メトロを大いに利用してはいかがでしょうか。