「ブレイク」とは?
「ブレイク」は、英語の"break"をカタカナ表記したものであり、「ブレーク」とも表記されます。基本的な意味は「壊す、中断する」であり、日常用語から専門用語まで幅広く使用されています。
主な「ブレイク」
- 休憩、小休止、ブレイクタイム
- アイドルや音楽などが爆発的に人気が出て流行すること。ヒット
- テニスなどで、相手がサービス権を持つゲームを獲得すること
- ボクシングで、クリンチ状態に対してレフェリーが指導する「離れろ」の意味
- 航空用語で、機体がそれまでの機動をやめ、即座に別に機動に移ること
- 音楽用語で、リズムやメロディを一時的に停止する空白部分のこと
- 無線用語で、「割り込み」の意。または段落や話題切替の強調
- ブレイクダンスのこと
- プログラム用語で、ループ処理を中断・脱出するための命令
- コンピュータのキーボードのキーのひとつ。中断キー
- ゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズにける石化魔法
人名としての「ブレイク」
「ブレイク」は、英語圏における人物の姓および名としても使われます。この場合、スペルは"break"ではなく"blake"ですのでご注意ください。著名な「ブレイク」氏を何名かご紹介します。
- ウィリアム・ブレイク(William Blake)…イギリスの詩人、画家
- ロバート・ブレイク(Robert Blake)…イギリスの海軍提督
- ブレイク・グリフィン(Blake Griffin)…アメリカのプロバスケットボール選手
英語"break"の解説
英語"break"の核となるイメージは、「力を加えて本来の形を損ない、連続したものを中断させる」です。不規則動詞であり、過去形は"broke"(ブローク)、過去分詞形は"broken"(ブロークン)と変化します。
実に多様な意味があり、例えば「休憩」という意味は、連続している仕事や作業を「中断」することが由来です。既存の慣例や時間を打ち切ることから「始まり」というニュアンスもあり、さらにその機会を「チャンス」や「幸運」と捉える意味もあります。
何についてブレイクと表現するかによっても意味が変化しますので、以下、「ブレイク」の主な用例について、例文とともにご紹介します。
1.「もの」をブレイクする
もっとも基本的な意味であり、壊す、割る、破る、砕く、折る、骨折する、ばら売りする、(貨幣を)くずす、など、ひとつなぎになっている物質が分断されるというイメージです。
- I broke the dish.(私が皿を割りました)
- I fell and broke my leg.(私は転んで足の骨を折った)
- break a bread(パンをちぎる)
- break a 10,000 yen bill(一万円札をくずす)
2.「機械」をブレイクする
機械について使われる場合は、壊す、故障する、の意味になります。
- I broke my father's radio.(父のラジオを壊してしまった)
- This ticket gate is broken.(この改札機は故障中です)
3.「皮膚」「扉」「土地」をブレイクする
何らかの仕切り・障害を壊して進むというニュアンスです。すりむく、切る、壊して開ける、侵入する、突破する、逃げ出す、脱出する、(道を)切り開く、(隊列を)乱す、などの意味です。壊すための「勢い」の意味が含まれることもあります。
- break the skin([出血するほど]肌を傷つける)
- break a package(包みを開ける)
- break a safe(金庫をこじあける)
- break a trail in the woods(森の中に道を切り開く)
4.「約束」「法」「秘密」をブレイクする
破られるべきものでないものを破る、秘密を打ち明ける、不都合な事柄を公にするというニュアンスです。
- He broke his promise.(彼は約束を守らなかった)
- break the low(法を破る)
- I'll break the bad news to her.(その悪いニュースは私が彼女に伝えよう)
5.「予定」「習慣」「勢い」をブレイクする
旅行などの予定や、連続した行動・習慣・時間を打ち切るというニュアンスです。また、連続したものの勢いを弱める、疲れさせるという意味もあります。
- break the journey to A at B(Aへの旅行をBで打ち切る)
- My wife tried to break me of smoking.(妻は私にタバコをやめさせようとした)
- break the force of the wind(風の勢いをそぐ)
6.「記録」「状態」「人間」をブレイクする
記録を更新する、膠着状態を打開する、敵を打ち破る、人を失脚させる、など、連続した(連続するであろう)何かを打倒するというニュアンスです。
- break the world record in the 100m sprint(100m走の世界記録を破る)
- break a deadlock(行き詰まりを打開する)
- That scandal broke him.(そのスキャンダルが彼を失脚させた)
7.「何か」がブレイクする
何かがブレイクする――すなわち自動詞的に用いられる場合は、(夜が)明ける、(事が)展開する、(急に)始まる、スタートを切る、変化する、終わる、などの意味がさらに加わります。さらに、その変化について「チャンス」や「幸運(不運)」とする意味もあります。
- Day broke at last.(やっと夜が明けた)
- Things have been breaking well for us.(事は我々に有利に展開している)
- break into run(走り出す)
- The cold weather broke at last.(ようやく寒気が終わった)
- What a break.(なんて間がいいんだろう)
「ブレイク」の派生語
「ブレイク」は、さまざまな単語と組み合わされて多様な派生語を作ります。そのうち代表的なものをいくつかご紹介します。
ブレイクダウン"breakdown"
- (機械などの)突然の故障
- 停電する
- 破壊する
- 押しつぶす
- (秩序などの)崩壊
- 通信途絶
- 交渉の決裂
- 失敗する
- がっくりする
- 泣き出す
- (俗語)詳しく説明する
ブレイクスルー"breakthrough"
- 難関突破、~を突破する
- (困難を超えて)躍進する
- 新発見する
ブレックファスト"breakfast"
- 朝食
前の晩から続けていた食事をしていない状態を破って(break)、その日最初にとる食事という意味が由来となっています。
「ブレイク」と間違いやすい単語
"break"と間違われやすい単語に"brake"(ブレーキ)があります。"brake"の意味は「自動車や自転車のブレーキ(ペダル)、制御装置、抑制」などです。
実は英語の"break"と"brake"に発音上の違いはなく、ともに「ブレイク」と読みます。しかし、カタカナ語(日本語)としては前者を「ブレイク」、後者を「ブレーキ」と呼び分けるのが慣例となっています。